一国二制度
中国の全国人民代表大会(全国人民代表大会、国会に相当)常務委員会は11日、香港立法会(議会)の議員に中国への忠誠心を義務づけ、香港政府の判断で議員資格を剝奪できるようにする決定を下した。 香港政府は直ちに、民主派議員4人の資格を剝奪。これに抗議し、15人の民主派議員が辞職を表明した。 香港立法会(定数70、欠員8)は民主派が21議席を占め、重要法案で拒否権を持つ3分の1を維持していたが、親中派が議会を事実上支配する形になる。
香港政府の林鄭月娥行政長官は11日の記者会見で、4人が今年9月に予定されていた立法会選挙の立候補資格審査で「外国勢力に香港への干渉を求めた」などとして失格していたのを理由に「香港政府側から中国側に資格取り消しを求めた」と述べた。民主派議員の辞職表明についても「立法会の運営は問題ない」とした。 声明は、全人代による制度変更が「『一国二制度』の原則における香港の高度な自治を弱体化させ、複数政党制を抑え込む」と批判。香港返還に合意した1984年の中英共同宣言で保障された言論の自由を狭めると指摘した。 中国に対し、香港基本法(憲法に相当)で示されている「香港での基本的権利と自由」を尊重するよう要求した。