マンガの原理
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最高峰の技量を持つ森薫・入江亜季と、『Fellows!』『ハルタ』『青騎士』創刊編集長による、体系的な理論と技術。「視線誘導」「跳ね上げ」「めくり」「キャラ立ち」「フリウケ」……その全てがこの1冊に。
もくじ
【序章】 マンガに技術が必要な理由
インパクト重視の漫画は読み捨てられる。週刊連載向きで月刊連載には向いていない。
大場は月刊連載で編集をしていた。インパクト重視が有効ではないから、何度も読み返されるような作品を作るために技術が必要だと考えた。
【第1章】コマ割りと視線誘導の原理
森は3段7コマを基本としている
3段を基本としているのは、B5の雑誌で人間が無理に視線移動せずに読めるサイズの上限がそんなものだから
雑誌の段組も似たようなもの
上限は9コマ
浦沢直樹は6-7コマで構成するが、会話なら8コマあっても十分読めると言っている 連載でコマ数とページ数は決まるので、作中の情報が多い漫画(例えば読者が馴染みがないような舞台設定にすると)は当然、コマの取捨選択がシビアになる
コマ割りと時間
コマ割りは時間を操る
物語はフリ→ウケで進む
これをやらないと読者が飽きて、読まない
フリとウケの概念は明確に区別できないコマもあるだろう基素.icon
何かして(フリ)→何かが起こる(ウケ)→何かして(フリ)→何かが起こる(ウケ)
だけでなく
何かして(フリ)→何かが起こる(ウケでありフリ)→何かが起こる(ウケ)
のようなパターンもある
ページ下部は次のページに進ませるために強いフリを、次のページの上部は強いフリに対するウケで役割が決まる
最後のコマだけで唐突にページを進ませるのは違和感がある。全てのページを使ってよい(入江)
中央部分は自由に描くことができる部分。なくても物語は成立する
段は、文章で言えば段落
展開1
展開2
展開3
段から段へ移動するときに視線が外れるので、場面展開など大きく変更しても違和感が生じづらい
キャラクターの動きと読者の視線の動きを一致させる
読者の体感時間を(なるべく)制御する
左下のコマを見て、ページをめくって、右上のコマを見る。この動作は読者が作品から離れるポイント
見せ場のコマはどこに置く?
アクションのコマ割り
コマの大きさより大小差
見せ場では絵とセリフを別に
「視線誘導」の実際
チャンチャン禁止
暗い夜と薄まる記憶
構想・コンテ・ネーム
【第2章】絵の原理
文字が優先、効果は最後
背景・効果が大事な理由
顔を大きく描くために
小さな人間をちゃんと描く
キャラの立ち位置の原則
描き文字の原則
写真でもよく言われるけど気にしすぎない方がいいと思っている基素.icon
構図はどこまで気にするべきか
背景は1ページ1コマは必要
背景の一部にエアを入れる
心情描写としての背景
人物と背景で線の質を変える
なぜ「線」が大切なのか
瞳をキラキラさせる
鼻の穴と爪を描く
死体を描く・裸体を描く
タイトルが不適切。この結論だけ覚えるのは有益ではないと思う基素.icon
大場の主張は
コメディでよくつかわれる漫符なので、シリアスシーンにそぐわない
これは、時代によって変わりそう基素.icon
シリアスシーンはすべると精神的なショックが大きいので、作者が「これはコメディだからね」と自分に言い訳する理由になるけどそこは意識しなければならない
唯一説得力のある理由がこれなので、「コメディを逃げ道にするな」が表札としての項目じゃないかな基素.icon
というようなもの
集中線・スピード線の描き方
【特別講座】トーンの考え方・削り方
【第3章】フキダシとセリフの原理
フキダシの線と位置
爆発フキダシの考え方
原則NGのセリフあれこれ
フキダシを使った視線誘導
【コラム】編集者の役割とは
【第4章】キャラ・ネタ・ストーリーの原理
キャラとストーリーは一体
目的・環境・性格≒外見
即効性のあるキャラは嫌なヤツ
毎話気にするべきは「視点」
視点変更で主人公を目立たせる
得意・苦手・好き・嫌い
持ち物・小道具で個性を出そう
キャラはフラットかラウンドか?
編集者から見たキャラ立ち
ネタとは何か
伝えたい感情・考えがあるか
主人公の目的がストーリーになる
タイトルの考え方
非現実世界の現実か、その逆か
知らないこととカンカラコモデケア
ストーリーのフリウケ
扉絵は読者へのあいさつ
1話の構成で大切なこと
ストーリーで大切なことあれこれ
【証言構成】森薫・入江亜季・大場渉と『フェローズ!』『ハルタ』『青騎士』の歩み