ニホンウナギは基本食べないようにする(絶滅させないため)
私はニホンウナギの資源量の変動は
長期的な増減の傾向
海洋環境の変動による短期的な年変動
の二つに分けて考えるべきだと考えています。
長期的な減少傾向が端的に表れているのは淡水域での漁獲データです。対象は川にいる成長期の「黄ウナギ」と成熟が始まった「銀ウナギ」になりますが、両方を足した河川におけるウナギ漁獲量はこの半世紀ほど右肩下がりの直線状に減り続けています。
こうした河川におけるウナギ漁獲量の資料に加え、様々な情報や状況証拠を見ても、何十年という長期にわたって資源は減少し続けていることは明らかです。
研究者の中にはニホンウナギは減っていないという意見を持っている方もいますし、論文も出ています。しかし、現在の状況を資源が減っていないと楽観することはできないと思います。
「明らか」と矛盾する意見だけど...
クロコが入っていた時代だけ取り出してみても漁獲は減少していますし、さらに、もっぱらシラスウナギのみを使うようになった1975年頃から後もやはり資源は減り続けています。 その後、つい最近の親ウナギ保護の漁獲規制まで、ニホンウナギの資源にとって回復を促すような良いことは何も起こっていません。 私は、ウナギ資源の減少の原因は
獲りすぎ
河川環境の悪化
海洋環境の変化
の三つに大きく括ることができると思っています。
対策
その人たちがそれぞれに年間で食べている量を半分に減らし、この10年は我慢する。その代わり、特別な日には、高いお金を払ってでもとびきりおいしい鰻を食べるというスタイルにするしかないんじゃないでしょうか。われわれ消費者の一人ひとりがウナギの食べ方に対する意識改革をするのです
ずっと前から実践していて全く食べてないか、代替食品を食べてる基素.icon
塚本 産卵のために川を下っていく銀ウナギ(下りウナギ)については全国で全面禁漁が望ましく、できれば若魚である黄ウナギの漁業も、そして遊漁も10年くらいは禁漁にしたいです。 また、これは国内だけではなく、日本が先頭に立ってニホンウナギの分布する東アジアの国々と一緒に実施するとさらに効果的です。少なくとも天然の下りウナギは東アジア全域で全面禁漁にしたら良いと思っています。
塚本 10年というのはニホンウナギのおおよそ1世代の長さです。これだけ我慢すれば、少なくとも日本の養殖に必要な20トンくらいのシラスウナギは毎年やってくるような資源レベルに復活するのではないかという意味です。期待でもあります。 ニホンウナギの資源状況を考えれば、産卵に寄与する天然の下りウナギを全面禁漁にして保護し、食べるのは養殖のウナギにするのがいいと思います。
長期的なモニタリング
大学は予算やマンパワーの問題で長期モニタリングという大規模調査はなかなか継続できません。それをやれるのは官しかありません
科学的にその効果がほぼ全く証明されていない
養殖ウナギの放流
「石倉かご」と呼ばれる人工物の設置
は再考を要します。
例
ニホンウナギの減少要因のうち、人間が対応できるのは
過剰な消費
生育環境の劣化
の二つです。
4カ国・地域は養殖池に入れられる稚魚の量を制限していますが、その方法による管理は、消費の中のさらに「養殖用に採捕される稚魚」という、ウナギが直面する脅威のごく一部分に着目したものでしかありません。
日本では天然ウナギ漁も盛んで人気もある。
川の環境の劣化も大きな影響を与えています。
仮に池入れ量を守っても、持続的に利用できると言える科学的根拠はありません。
例えば岡山県では、20年近く前からシラスウナギ採捕が許可されていないにもかかわらず、天然ウナギは減少を続けています。
日中韓台でつくる枠組みで中国が8年ぶりに協議に復帰したものの、養殖制限に難色を示し、法的拘束力のある規制導入は見通せない。
日本の対策もおぼつかない。稚魚は密漁が横行するなど流通実態が不透明で、国内の漁獲量すら正確につかめずにいる。 old title: ニホンウナギの海洋水産資源管理の失敗