トランプ関税違憲判決(2026-02-20)
from トランプのでたらめな関税
2026-02-21 相互関税、違憲判決 米最高裁「大統領に権限なし」―トランプ氏、全世界10%関税へ:時事ドットコム
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6対3で違憲(IEEPA関税は大統領権限外)
🔴 多数意見(違憲側)6名
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判事 任命者 役割・備考
ジョン・ロバーツ長官 ブッシュ(子) 法廷意見執筆。「IEEPAは関税権限を付与していない」「憲法上、関税権は議会のみに与えられている」
エイミー・コニー・バレット トランプ(1期) 多数意見参加。major questions doctrineを適用。ただし独自補足意見も執筆(同ドクトリンは「常識的な法律解釈」だとする独自理論)
ニール・ゴーサッチ トランプ(1期) 多数意見参加・補足意見執筆。major questions doctrine適用に賛成しつつ、バレットの補足意見を批判(「常識では説明できない」)
ソニア・ソトマイヨール オバマ 多数意見参加。IEEPAのテキスト上の理由で違憲とし、major questions doctrineは不適用
エレナ・ケーガン オバマ 独自補足意見執筆。「IEEPA以前の大統領は誰もこの法律を関税の根拠と理解していなかった」と歴史的解釈を強調
ケタンジ・ブラウン・ジャクソン バイデン 多数意見参加
注:リベラル3名(ソトマイヨール・ケーガン・ジャクソン)とゴーサッチ・バレットは違憲という結論は同じでも、理由が異なります。保守3名はmajor questions doctrine適用、リベラル3名はテキスト解釈から違憲。全170ページにわたる複数の意見が出ています。
🔵 反対意見(合憲側)3名
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判事 任命者 主な反対理由
ブレット・カバノー トランプ(1期) 63ページの反対意見執筆。「関税は輸入を規制する伝統的手段。IEEPAのテキスト・歴史・判例上いずれも合法」「major questions doctrineの適用は逆に合法を示す」。また還付プロセスが「混乱(mess)」になると警告
Clarence Thomas ブッシュ(父) カバノー反対意見に同調
Samuel Alito ブッシュ(子) カバノー反対意見に同調
ポイントまとめ
トランプが指名した3名(ゴーサッチ・バレット・カバノー)が保守3対3で真っ二つに割れたのが最大の特徴
カバノーが「これは司法が解決すべき政策論争ではない」と行政部擁護の立場を強調
判決はIEEPAに限定した違憲判断で、232条・301条に基づく鉄鋼・アルミ関税等は対象外
トランプは即日、別の法的根拠で10%関税を大統領令で発動
カバノーの反論は統治行為論的か?
半分そうで、半分違います。
カバノーの反対意見は二層になっています。
第一層:法解釈論として合法を主張
IEEPAのテキスト・歴史・先例からして大統領に関税権限がある、と正面から法解釈で争っています。これは統治行為論ではなく、単なる解釈の争いです。
第二層:司法の役割論(ここが統治行為論に近い)
「関税が良い政策かどうかは議論を呼ぶかもしれないが、それは連邦司法が解決すべき問題ではない。司法の役割は法を中立的に解釈することだ」という部分は、確かに政治部門への敬譲(judicial deference)の思想です。
ただし日本的な統治行為論(高度に政治的な行為は司法審査の対象外)とは少し違って、アメリカ的には「行政の専門判断への尊重」に近い。つまりChevron的敬譲の残滓と言えるかもしれません。
基素.icon還付プロセスはmessになるのは当たり前で、そもそも徴税プロセスもmessになってる。こういう結論から考えるのは憲法から考える姿とはおかしな態度では
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カバノーの論法は構造的におかしくて、
「違憲と判断すると還付が混乱する → だから合憲と解釈すべき」
というのは、結果から遡って解釈を決める典型的な目的論的逸脱です。憲法解釈の文脈でこれをやると、「都合の悪い判決は出せない」という話になってしまう。
さらに言えば、あなたの指摘通り「徴収プロセスもmessだった」わけです。IEEPAを根拠に猛スピードで数十カ国に異なる税率を設定した徴税プロセス自体が異常で、その異常な状態を既成事実として「今更戻せない」と言うのは、違法状態の自己正当化に過ぎない。
法律論としてはむしろ、「違法に徴収したものは返還せよ」が原則であって、「返還が大変だから違法でないことにしよう」は本末転倒です。これは日本の司法でも批判されるタイプの論法で、「不法行為の既成事実化」を司法が追認することになりかねない。
本邦の例:東京都管理職試験事件判決基素.icon
カバノーが保守派で行政権拡大論者であることを考えると、先に結論ありきで還付問題を盾にした感は否めないですね。