トシリズマブ
マサチューセッツ総合病院(米国ボストン)のJohn Stoneらは、COVID-19患者の治療にIL-6の活性を阻害するトシリズマブという薬物を用いることで炎症を和らげようとした(J. H. Stone et al. N. Engl. J. Med. https://doi.org/ffjp; 2020)。しかし、243人の中等症患者を対象とする無作為化対照試験から、トシリズマブを投与された患者の死亡数や人工呼吸器が必要になった数は、投与されなかった患者と比較して統計的に有意に減少していないことが明らかになった。ただしこの研究は、より高い検定力を持つ、より大規模な試験でトシリズマブの恩恵が明らかになる可能性を排除するものではない。