コノシロの雌雄を外見から見分けることは困難。抱卵個体は腹が大きい
モチベーション:卵を抱えたメスを釣ってしまった(腹を割って初めて抱卵個体だと気づいた)。産卵期のメスはリリースしたい。見分け方は?
o4-mini-high.iconChatGPT Deep Research.iconコノシロの産卵期と雌雄の見分け方
コノシロの産卵期(時期と産卵環境)
以上のように、コノシロの産卵期は主に春~初夏(4~6月頃)であり、この時期には繁殖のため浅場に群れる習性があります。産卵は夕暮れ以降に行われ、群れ全体で一斉に産卵・放精するというダイナミックな繁殖行動をとる点が特徴です。 産卵期におけるコノシロのオス・メスの見分け方
結論から言えば、コノシロは外見上の雌雄差が非常に少ない魚であり、明確な体色や体型の違いはほとんどありません。ニシンやイワシなどと同じニシン科の魚で、群れで集団産卵する種類は、ペアで産卵する魚に比べて性的二形(オスとメスでの外見差)が乏しい傾向があります。したがって、コノシロの場合も解剖せず外見から判別するのは容易ではありません。色彩の「婚姻色」やオスだけに現れる突起(いわゆる「追星」)も知られておらず、パッと見ただけで雌雄を見分けるのは困難です。 しかし、産卵期の成熟個体に限れば、メス(抱卵個体)とオスで次のような違いが観察できます。
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図:同じ漁獲網に入ったコノシロ成魚2個体(3月下旬、千葉県)。上の個体は腹部が太鼓のように膨らみ、下の個体より明らかに太って見える。この体型差は「別の魚種かと思えるほど」顕著であり 、実際に解剖すると上の個体は大型の卵巣を持つメス(産卵直前の抱卵個体)で、下の個体は産卵を終えて卵巣が縮小したメス(放卵後個体)であった 。こうした抱卵メスは産卵直前には体重が増え、腹囲が明らかに大きくなる。
メス(産卵期の抱卵個体):卵巣が発達して腹部が丸く大きく膨れます。外見上もオスや未成熟個体に比べ太って見え、腹が柔らかく張った状態です。実際、産卵直前の抱卵メスは産卵後の個体よりも重量が増している例があります。また、お腹を優しく押すと肛門から黄色~橙色の小さな卵がにじみ出る場合があります。卵そのものは直径1.5mm程度と小さいですが、産卵直前の個体では腹部を押した刺激で数粒の卵が出てくることがあり、これが確認できればメス(しかも抱卵中)と判別できます。一般的にコノシロは雌の方が成長がわずかに早く、大きめになる傾向が報告されており、群れの中でもひときわ大柄で腹の膨れた個体は抱卵したメスである可能性が高いといえます。 オス(産卵期):オスは精巣が小さいため腹部がそれほど膨らまず、全体に細身の体型です。外見だけでは産卵期でもメスほどの変化がなく、メスのように腹が大きく張り出すことはありません。腹部を軽く押すと白く乳液状の精液(白子)が出る場合があり 、それが確認できればオスと分かります。産卵行動時もメスを追尾する行動以外に特筆すべき差はなく、コノシロのオスは繁殖期でも体色が特別に変化したり、体表にざらつき(追星)が出たりといった現象は知られていません。 以上をまとめると、コノシロの雌雄判別は産卵期であっても視覚的には難しいものの、雌(抱卵個体)は腹部の膨らみ具合である程度判別可能です。特に「お腹が大きく張っている個体」はメスの可能性が高く、保護のため逃がしたい卵持ち個体に該当します。確実に見分けるには、腹部をそっと触診してみる方法が有効で、メスならば硬く膨らんだ卵巣を感じたり微量の卵が出たりする一方、オスならば腹部は膨らまず、押すと白い精液がにじむことがあります。釣り人や漁師の現場でも「腹を押して白子が出ればオス、卵(真子)が出ればメス」という目利きが知られています。 まとめとして、産卵期のコノシロでは:
抱卵したメスは腹が大きく膨らみ、腹部を押すと卵が見られることがある。
オスは腹部が膨らまず細身で、押すと白子が出ることがある。
このようなポイントに注目すれば、解剖せずとも生きたままある程度の雌雄判別が可能です。ただし個体差もあるため、100%確実とは言えません。特に産卵直後で卵を放出した直後のメスは外見がオスに近くなる(腹部がしぼむ)ため判別が難しくなります。そのため、産卵期にはお腹の大きな個体を優先的にリリースするという心づもりで運用するのが現実的でしょう。そうすることで、産卵前の貴重なメス(子持ち個体)を逃がして資源保護に役立てることができます。
参考文献・出典一覧
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ググっても出てこない
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一般的に、魚類の性別判別には以下の方法が用いられます:
繁殖期の腹部の膨らみ:メスは卵巣が発達し腹部が膨らむことがあります。
腹部を押した際の分泌物:オスは精子、メスは卵が排出されることがあります。
解剖による生殖腺の確認:卵巣や精巣の形状で性別を判別できます。
これらの方法は、繁殖期や解剖を伴う場合に限られ、外見だけでの判別は困難です。