ゲーム部
この1年ほどは冒頭で触れた社内体制の変更も含めて体制や業務フローの改善を進めてきたという。
「演者さんや(演者の)親御さんとの密なコミュニケーションや評価制度の見直しなどに加えて、月の動画制作本数の適正化も進めた。ゲーム部ではピーク時に月間で50〜60本の動画をアップしていたが、それが過度な業務負担の一因にもなってしまっていた」(野口氏)
また演者だけでなくチャンネルを応援しているユーザーとの間のコミュニケーションも見直すべき点があった。ゲーム部ではユーザー向けに適切な情報開示などを行わずに声優陣の変更を進めたことがわかったため、ファン離れにも繋がった。
昨年末には同じくBrave groupが手がける「ここあMusic(道明寺ここあ)」を担当していた声優がバンド活動へ専念することを理由に卒業。今年3月から新声優のもと「COCOA CHANNEL」に名称を変える形で再スタートを切ったが、その際には演者だけでなくユーザーに対しても情報共有をしっかり行うことで新チャンネルにも少しずつユーザーが戻ってきているという。 「世代を超えて親しまれるようなIPをスマホ・Youtubeから生み出す」ことを目指していく
魂の世代交代がある
声優の転換以上に抵抗がある
内面に結びついた演出は避けなければならない
しかしそこが「生きている」と感じるところ
これは軸だ
ビジネスモデルはアイドルではなくIP
「VTuberでは中の人を務める声優さんの個性をそのままバーチャル化することが多いが、自分たちは別のやり方をしている。チャンネルやコンテンツの制作フローは漫画やアニメに近く、ビジネスモデルも(芸能事務所やYouTuberが所属する事務所などではなく)集英社などIPの会社をかなりベンチマークしながら取り組んできた」(野口氏)
VTuberのプロデュースやマネジメントを手がけるスタートアップは複数存在するが、同社の特徴は漫画の原作を考えるような役割を担うプロデューサーを社内で抱え、最初の段階でストーリーやキャラクターといったチャンネルのキモとなる部分を入念に設計していること。それが固まった後にキャラクターを演じる“中の人”を探し、YouTube上だけでなく様々なメディアに展開できるIPを目指して一緒に作品を作っていくケースが多いという。