アメリカ中間選挙2026
ミッドターム(中間選挙)は民主党の圧勝になるか?
特別選挙の現状
選挙専門家2人と議論を行った
デイヴィッド・ニア(The Down Ballot)とG・エリオット・モリス(Strength in Numbers)の分析では、民主党は特別選挙で期待値より平均16ポイントも上回る好成績
これは2018年の「ブルーウェーブ」(民主党が下院で40議席を奪取)時よりも大きな振れ幅
特別選挙は信頼できる指標か?
特別選挙は「実投票」だが、有権者は高学歴・高所得の意識高い層が多く、代表性に乏しい
それでも過去の実績では、特別選挙の集計結果は中間選挙の結果と相関がある
2024年にはその相関が崩れたが、2026年には再び一致する可能性あり
世論調査との乖離
特別選挙では民主党が+16ポイントだが、世論調査ではバイデン政権の支持率は-7〜-10%
トランプ支持者の一部は表向きには支持を続けると回答しているが、実際には離反している可能性がある
実際に投票するのは世論調査よりもハードルが高く、民主党支持者の方が動機づけられている様子
情報・教育と投票傾向
ニュースをよく見る人だけで再選挙をやれば、ハリスが圧勝していたとの分析
教育水準が高いほど民主党支持に傾き、特別選挙ではこの傾向が強まる
より多くの情報を得ている層は、トランプ政権に対して否定的な傾向がある
「One Big Beautiful Bill Act」の影響
議会で進行中の巨大再分配法案(富裕層優遇・社会保障削減)は75%の人が何か聞いたことがあるが、内容を知っているのは40%程度
内容を知るほど支持率が下がる傾向があり、情報が浸透すれば民主党に有利に働く可能性
民主党の勝機とリスク
2018年の医療制度改革反対のように、具体的な不利益が生じれば有権者は反応する可能性がある
問題は、それが共和党によるものであることを有権者が理解するかどうか
民主党が失敗すれば、それは有権者にメッセージを伝えきれなかったからということになる
上院選の展望
下院は民主党が奪還する可能性が高いが、上院は州ごとの地図次第で厳しい戦い
フロリダやテキサスは難しいが、ノースカロライナやメイン、場合によってはアイオワなどが鍵となる
特別選挙の意外な示唆
一部の特別選挙ではカマラ・ハリスが2024年に得票した結果より50ポイントも上回る民主党候補が登場
これは異常値ではあるが、候補者の質や状況次第で番狂わせが起こることを示している
選挙妨害・軍事介入の懸念
トランプによる州兵の動員がLAで起きたことが危険な前例となっている
軍の投入で投票率が下がれば、選挙結果を変える程度の影響を与える可能性がある
ただし、あからさまな弾圧は有権者の反発を招き、逆効果になる可能性もある
メディアと情報バイアス
fox newsなどの右派メディアは現実を歪め、情報環境そのものが民主主義を歪めるリスクがある 主流メディアも「見出し」と「本文」の乖離や、報道頻度に問題あり
独立系のニュースレター(Substackなど)が世論や主流メディアに間接的影響を与えており、重要な役割を担う
民主党支持率の低さの内訳
民主党内部からの不満も多く、リーダーシップへの失望が支持率を押し下げている
それでも特別選挙での投票行動は好調で、実際の投票行動の方が世論調査より信頼できるとの見方もある
結論
今は何か大きな動きが起きつつある
その正体はまだはっきりしないが、特別選挙は重要な兆候
民主党にとって希望はあるが、油断すれば容易に覆る状況