ふるさと納税の成り立ち
ふるさと納税の成り立ち
筆者(注:高橋洋一)は、小泉政権での総務大臣補佐官と第一次安倍政権内閣参事官として、それぞれ総務副大臣、総務大臣での菅氏をサポートし、ふるさと納税などの仕事をした 成立の経緯
問題意識
私のある意味の原点は、ふるさと納税の創設だったと思います。地方から東京に出てきて、高校卒業するまでは地方の市町村で1500万円ぐらい、将来の子供たちにお金かかりますから、予算でつぎ込んで、東京に出てきて働くと納税するところは東京になるわけですから。それはちょっとおかしいという中で、ふるさと納税というものを、総務相のときに提案して、今定着をしてます。
創設は2008年だが、総務大臣であった菅(注:菅義偉)氏の発案だ。そのアイディアを制度に落とし込むときに筆者は官邸勤務だが手伝った。 筆者は、納税者が地方自治体への寄付を行い、その寄付額を税額控除するものを菅氏に提示した。菅氏はこれをすぐに理解、法案化に取り掛かった。
類似制度がなく難渋
まずは有識者による検討会を設けて、議論に透明性を持たせた。検討会の人選は、基本的に総務官僚に任せた。税金を徴収して差配するのが官僚の仕事だという古い固定観念では、ふるさと納税は寄付者たる国民が税金差配するアイデアは論外で、官僚は反対し、検討会メンバーにも反対者を入れてきた。
検討会の報告書や法案については総務省官僚が基本的に書いている。これは、総務省官僚は当初反対していたが、最終的には組織として納得したということだ。
上記の実名告発の官僚も、創設時は課長であったが、特に異論を述べていない。反対しようと思えば、いくらでもできたはずだ。
なお、財務省から、寄付と税額控除の対象から国税を除外せよとの強い反対があったので、制度創設時に国税を対象から除外した。
その後、2011年東日本大震災対応で国税も対象とした。被害を受けた地方自治体への支援としてふるさと納税がいいとの国民からの支持を得たからだ。
2014年改正はマイナー
2008年創設と2011年改正に比べると、はっきりいえばマイナー改正で、制度の根幹ではない
何が変わった?