のれん代
簿価10億円の会社を100億円で買収するので、「大企業」のBalance Sheetから100億円の現金が減り、「スタートアップ」の簿価分の10億円以外にも90億円分の「何か」をバランスシートに追加しないと、バランスシートがバランスしなくなります。その「何か(=買収額と簿価の差分)」を「のれん(代)」と言います。 のれんの減価償却
のれんも資産なので、正しく評価する必要があります。のれん代の場合、楽天やDeNAといった、国際会計基準(IFRS)を採用している企業では、毎年決まった額を償却するのではなく、毎年「減損テスト」を行います。 「減損テスト」というのは、毎年「その資産がバランスシートに計上されているだけの価値があるか」を客観的に評価するものです。
仮に買収時に90億円分の価値がある、と評価された「のれん代」が、数年後に10億円の価値しかないと再評価された場合は、差額の80億円分をその期に損失として認識しなければなりません。これが減損処理です。
この減損処理は営業利益を大きく減らすことになり、また多くの場合、税務上も非常に不利な扱いを受けます。会計上は損失として扱わなければならないにも関わらず、税務上は損金扱いできない場合が多いからです。 のれんの減損の事例
旭化成は8日、2015年に買収した米ポリポア社に関連し、のれんの減損などで約1850億円を特別損失として計上すると発表した。