「AV制作自体を禁止すべき」
...私は、新法では救えない被害者の方が多いのではないかと考えています
「新法ではAVを『性交もしくは性交類似行為を行う姿態を撮影した映像』と定義しており、AV撮影には性交も含まれると読めます。しかしAV被害のほとんどは、撮影で実際の性交などが行われることによるものです。被害者を救援する法律で、性交を前提とすること自体が問題です」
-法案作成に関わった議員らは「AVでの性交を認めるものではない」と否定しています。
「認めないのであれば性交を禁じると明記すればいいのですが、そうはしません。日本は売春防止法で性の売買を禁じていますがAVに関してはグレーです。AVの定義に性交を行うことを含む法案は、法律上の大きな転換になります」
-実態として日本では性交していると見られるAVが多く流出しています。
「それこそが問題です。日本ではAVを直接規制する法律はこれまでありませんでした。アジアではAV制作を禁じる国が多いです。欧米では実際の性交を伴うAVが一般的ですが、レイプや虐待、小児性愛に関する表現には厳しい制限が課せられています」
1980年代のビデオが新たにデジタル化されてネットに流れる被害もありましたが、新法でこうしたケースは救済されません
立民の堤かなめ氏は「政党として性行為AV禁止の法律を別途検討していくことは可能か」と確認。提案者(立民の森山浩行氏)は「性行為AVの禁止を決めることはこの法律を妨げない。本法(被害防止・救済法案)成立後の議論、検討は可能だ」と答弁した。 堤氏は「テレビや映画の殺人シーンで実際に人は殺さない」とした上で、「性行為の撮影や動画の売買を認めることは個人の尊厳を傷付け性的搾取を許すことだ。党としてさらなる対策を検討し進めていきたい」と表明した。