SMIC
中芯国際集成電路製造有限公司
SMICには、地方自治体、国有企業、大手外資系企業とのジョイントベンチャーからのばく大な資金提供が伴う、独自のビジネスモデルがあるのだ。それにより、SMICは自社の設備投資額や研究開発費を大幅に減らすことができる。
AMDやGLOBALFOUNDRIES、Intelなどの半導体メーカーが、新たな工場を建設する(AMDの場合は既に新しい工場の建設を終えているので、「建設した」になるが)際、地方自治体や連邦政府から奨励金を受け取ることは珍しいことではない。半導体工場は、高賃金の雇用を生み出すなど、その地域に直接的にも間接的にも利益をもたらす存在だ。だが、多額のインセンティブや税額控除などをもってしても、何十億米ドルという投資が必要になるのである。
一方SMICは、異なる方法を採用している。中国の地方自治体はそれぞれ、「地域にもっと多くの技術メーカーを引き寄せて、ハイテク企業集団を生み出し、高賃金の仕事を創出したい」という野望を掲げている。SMICはこれを利用し、地方政府にインセンティブを求めるのではなく、協業関係を構築することによって、SMICの製造施設に共同投資してもらうモデルを採用しているのだ。