MAGAの分裂
2026-05-29 「Who's Deranged, Exactly?」
結論:「トランプを神から遣わされた存在と信じている19%が『経済は良い』と言い、残り81%が『最悪だ』と言っている。いったいどっちが政治的に頭をやられているのか? 考えるまでもないだろう。」
トランプ政権の首席エコノミスト、ケビン・ハセット(国家経済会議議長)がFoxニュースで「経済は絶好調だ」と例によって吹いてたら、「じゃあなんでミシガン消費者信頼感指数が史上最低なんだ?」と突っ込まれた。ハセットの答え:「あれはトランプ・デレンジメント・シンドロームにかかった民主党員が指数を歪めてるせいだ」。
ミシガン調査は支持政党別にデータを取っており、確かに政治的立場が経済認識に影響するのは事実。バイデン時代は民主党員が強気、共和党員が弱気。政権交代後は逆転した。まあそれはわかる。
しかし現時点では、無党派層の経済認識は民主党員とほぼ同じ水準まで悪化している。つまり楽観しているのが共和党員だけで、彼らこそがアメリカ人全体のなかで「外れ値」になっている。
さらにYouGovの調査によれば、共和党員をMAGA支持層と非MAGA層に分けると景色が全然違う。非MAGA共和党員の65%が「経済は悪化している」と答えており、「改善している」と答えたのはたった11%。つまり非MAGA共和党員は、独立系・民主党員とほぼ同じ経済観を持っており、MAGA支持層とはむしろかけ離れている。
「経済は良い」と思っているのは全米のたった19%、つまり熱烈なトランプ支持者だけ。
経済が悪く見える理由はちゃんとある:トランプの関税とイラン戦争が引き起こしたインフレで物価は急騰、実質個人所得は急落している。数字は明白だ。
にもかかわらずトランプ陣営は失敗を認めない。イラン戦争でもそうだが、現実を指摘する記者を「売国奴」扱いし、経済への不満を持つ国民は「精神に異常をきたしている」と片付ける。
トランプ氏の対イラン攻撃、支持基盤を分断-MAGA内部から不満噴出 - Bloomberg
タッカー・カールソン氏やメーガン・ケリー氏、マージョリー・テイラー・グリーン氏らMAGA(米国を再び偉大に)運動のインフルエンサーや複数の共和党議員は、トランプ氏の対イラン攻撃は裏切りだと反発。ケリー氏はラジオ番組で「誰も外国のために死ぬ必要はない」と述べた。
マッシー氏は民主党のカンナ下院議員と共に、大統領が議会承認なしに追加攻撃を実施することを阻止する決議案の表決に持ち込んだ。否決されたものの、多くの共和党議員が対外攻勢に懐疑的だとマッシー氏はみている。
マッシー氏は「MAGA運動は今、分裂している。半分は私の側に、残り半分は大統領の側にいると思う」と話した。
カーク氏は、銃撃を受けて亡くなる前の昨年6月、米国がイランで体制転換を目指す戦争を始める可能性を「常軌を逸している」と表現した。
チャーリー・カーク殺害
Sonnet 4.6.iconJoe Roganのイラン報道(2026年3月時点)
2024年の選挙でトランプを支持した「manosphere」の象徴的存在だったローガンが、対イラン戦争を機に完全に離反した格好です。トランプのMAGAベースの亀裂を示す重要なシグナルとして米メディアに大きく取り上げられています。
背景 2025年6月にトランプ政権がイランの核施設への空爆を実施し、2026年2月にも再度の大規模攻撃を行いイランの最高指導者を殺害。これにより実質的な「対イラン戦争」状態となっている。
ローガンの立場:強烈な批判
ローガンはこの戦争を「狂気の沙汰(nuts)」と断言し、「『もう戦争はしない』という公約で選ばれたのに、なぜこれをやったのか理解できない」と発言。多くのトランプ支持者が「裏切られた」と感じていると述べた。
マイケル・シェレンバーガーとのエピソードでは、「なぜやったのかすら明確に説明できない戦争を始めた」と批判した。また、イスラエルの利益のために動いているのではないかと疑問を呈し、ガザ・ウクライナに加えてイランを「積み上げることで、第三次世界大戦に入りつつあるという現実的な可能性を感じる」と述べた。
別のエピソードでは、「米国政府による不必要な侵略(unnecessary aggression)」と明言し、「何もしていない国を攻撃することの何が良いのか、本当にそれがいいアイデアだと思う人間が、それを望み続けてきた人たち以外に誰かいるのか」と問い詰めた。
政治的影響
CNNの分析によれば、ローガンは2025年中頃からイラン・エプスタイン・移民問題でトランプと次々と決裂しており、「トランプ連合の崩壊を象徴する存在」として注目されている。世論調査でも対イラン戦争は不人気で、無党派層の約2対1が反対している。
UFCイベントへの懸念
6月14日にホワイトハウスの芝生で開催予定の「UFC Freedom 250」についても、「戦争の最中にこんなイベントをやるのは高ストレスで奇妙だ」「イランが報復攻撃のターゲットにしかねない」と不安を表明した。FBIが西海岸へのイランのドローン攻撃について警告を出したことも彼の懸念を強めている。
2025年06月19日 イラン攻撃参加に反対 「米国第一に反する」―トランプ氏支持層:時事ドットコム
保守系のFOXテレビ元司会者でトランプ氏と親しいタッカー・カールソン氏は16日、イスラエルとイランの紛争に巻き込まれれば「米帝国だけでなく、トランプの大統領任期も事実上の終わりを迎える」とポッドキャスト番組で警告。「米国第一」運動への裏切りだと非難した。
Russell Vought
MAGAの崩壊