KADOKAWA社長の発言で学ぶ表現の自由の社会実装(2021年7月)
夏野剛の以下の発言が取り沙汰される
夏野社長は7月21日、ABEMA TVの報道番組「ABEMA Prime」で少年向け雑誌の水着グラビアの是非について「日本には水着グラビアよりも過激な漫画が溢れており、GoogleとかAppleの審査に通らない」と主張。「僕がいる出版業界は“自由派”ばかりだが、どこまでは公共でよくて、どこからダメなのか、このネット時代にふさわしい基準を作り直さないといけない」とコメントし、業界での表現規制の見直しを示唆した。
2021年07月26日 ニコ動などの表現規制は現状維持、niconico代表が声明 夏野剛社長はネット番組で規制推進を示唆 - ITmedia NEWS
背景
ピアノ発言
2021年7月28日 KADOKAWA社長、五輪にからみ「アホな国民感情」 - 東京オリンピック:朝日新聞デジタル
2021年7月28日 KADOKAWA社長、報酬返上へ 五輪巡り不適切発言 - 東京オリンピック:朝日新聞デジタル
表現の自由
基素.icon
@motoso: GAFA基準論争、あとでScrapboxにまとめるけど、観測範囲だとクリティカルな意見は見当たらず、「規制されるのやだよな(現実の話はしない)」と言う話以上話があまりなかった。2019年のジャンプラのおもしろ対応事例を一つ知れたのは収穫。
@motoso: エロに関して本を購入するサイトはGAFA基準がないサイトあるよ。DLsiteとか。規制がないわけではないけど。FANZAは最近規制が厳しめな印象。一般ちょいエロぐらいだったら紙面と同等で乗るからDLsiteとかで買ったらいいんじゃないですか?
@motoso: 実際のところGAFAの基準に合わせなければ多くの人に読んでもらえないと言う現実があるわけじゃないですか。ここについて国内プラットフォーマーはある程度合わせると考えるのは普通だと思う。そして表現者が「うるさいGAFA基準に合わせたくない」と思うのも普通だと思う。
現状認識でいちばん重要なのは、すでにKindle等で配信されている漫画は規制をうけているということ。これがスタートライン
性的表現があったら白抜きで、見る側としても描く側としても何だこれはと思うレベル
夏野発言のとおり
過激な漫画が溢れており、GoogleとかAppleの審査に通らない
ここが問題
今みんな漫画をスマホで買って読んでいる
@motoso: これが嫌ならブラウザでということになるんだけど、アプリがない時にユーザーが全然使ってくれないというのはかなり明らかになりつつある(反対事例があるなら教えてほしい)
顧客がKindleで本をかうなら、出版社はKindleで売るしかない
でもKindleで弾かれてしまう表現があるとKindleで売れない/売りづらい=利益がさがる
Kindleに出せない
Kindleに出すための追加コストがかかる
そうするとKindleのルールに合わせようと出版社が考えるのはおかしいことではない
出版業界は歴史的に自主規制しつつも規制と戦ってきた業界だが経営的に損切りしたくなりそうだ
もちろん、キミたちはでKindleを打ち負かすようなものを出せていない不甲斐なさはなんだということはできるが、しかし現実はできてないので
iOS/Androidのアプリも同じような状況
出版社としてはGoogleやAppleの審査に通らないとアプリで配信できない
実はアプリはWebで買ったら見られる
たとえばDMMでエロ漫画を買ってiOSのアプリで読むことはできる
しかしアプリでの販売はAppleの規約上できない
根本的な課題はこれ
モノを売るためのプラットフォーマーである国産(=マンガ表現に理解のある)モバイルプラットフォームの不在
全世界でモノを売るところをGoogle Apple Amazonが取ってる
彼らのルールが適用される
これは日本の漫画愛好家の好みとは全然一致しない
@motoso: プラットフォーマーがいない時点で文化的敗戦なんよ。
寛容な決済会社の不在
決済事業者による事実上の表現規制に対応できない
デジタルデータはクレジットカード出払うのが現在一般的
GoogleやAppleの規定による漫画表現の自主規制の例