BNT162b2
Nature 2020年10月22日号では、ニューヨーク大学(米国)のMark J. Mulliganら3およびビオンテック社(BioNTech;ドイツ・マインツ)およびTRON社(Translational Oncology;ドイツ・マインツ)のUgur Sahinら4が、BNT162b1と呼ばれるCOVID-19ワクチンの臨床試験結果を報告した。 BNT162b1は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の表面に見られるタンパク質の一部をコードするmRNAを含んでいる。
このワクチンは、ファイザー社(米国ニューヨーク州)とビオンテック社によって開発・製造されていて、成人を対象に第I相と第II相を組み合わせた臨床試験が行われた。 ファイザー社とビオンテック社は別の研究で、BNT162b1を、全長スパイクタンパク質をコードするmRNAを用いるBNT162b2と名付けられたワクチンと比較する臨床試験を行い、その結果を報告している。
65~85歳までの高齢者では、BNT162b2のワクチン接種を受けた人は、BNT162b1のワクチン接種を受けた人よりも全身の反応原性が低いことが分かった。そのため、同社はBNT162b2を選択し、現在、第II/III相大規模臨床試験が進行中である。