BMI
今後のBMIの可能性はどうなのでしょう。
藤井:研究は進むでしょうが、実用化という点では疑問です。というのも実は、BMIは今のところあまり使い道がないんです。義手や義足を動かすのなら、脳でなくとも筋電図による筋肉からの情報で十分コントロールができますし、アイトラッキングで文字入力をやるような技術もある。それらの手段に比べると、BMIでわざわざ手術をして脳に異物を埋め込むほどのベネフィットがないし、身体の中に埋まっている機械をケアするメンテナンスも難しい。さらに、本気でBMIを実用化するなら、人の一生を確実に支えることを前提に取り組まなければなりませんが、それも難題です。結局、大層なBMIデバイスを開発しても用途がないというのが現状で、今のところはVRやSRの方に可能性があるのでは、というのが僕の見解です。とはいえ、例えば50年後、100年後といった長いスパンで考えればBMIにも可能性があるでしょう。