第1回US-Asia国際著作権シンポジウム 人工知能と著作権法 赤松健講演(2023/6/10)
@KenAkamatsu: 昨日は、13時から早稲田大学で「第1回US-Asia国際著作権シンポジウム [AIと著作権法]」にパネリストとして登壇。早大・コロンビア大・香港大の共催で、米国・香港・インド・日本・シンガポールなどの要人も登壇されました。
第1部は「AI生成物/AIを用いた作品の著作権保護」。
何と米国の著作権局長が講演され、続けて香港の知財産局、前インド著作権局長が、各国のスタンス等を解説。日本からは東京地裁部総括判事の杉浦正樹さんが(あくまで私的意見として)AI生成物に対する著作物性の有無について講演。
第2部は「AIによる著作権侵害」。
文化庁審議官である中原裕彦さんが日本での基本的な考え方をおさらいし、シンガポール知財庁、香港大教授、コロンビア大教授らが具体的な画像を使ってAI生成物と著作権侵害について講演されました。
第3部からが「ステークホルダーの視点と経験」です。
まず私(赤松)が登壇し、日本の現状と「ネガティブ・ポジティブ」両方の意見、そして
★もし画像生成AIを法規制するとしたら、どんな項目が考えられるか
を5例挙げて説明しました。
また、個別の絵柄を学習した「LoRA」の内部構造を示した上で、LoRAの作成者を裁判で訴えるとどうなりそうかも解説。
更に権利者や権利者団体に対する「対価還元スキーム」を二つ例示し、汎用モデルの還元スキームについてはその問題点(団体に属さないクリエイターがいることなど)についても挙げました。引き続き検討していきます。
絵柄の保護
最後に
■ 政府から、特に画像生成AIに関する「開発者向けガイドライン」と「利用者向けガイドライン」を発表し、混乱状態を緩和すべき。
■ 良質なデータセットを整備し、信頼性の高い日本発の生成AIを作るべき。
という現在のスタンスを説明しました。
・・・以上に関しては、今後詳しく解説していきます。
続けて、TencentのMike Huさん、Microsoft Japanの梶元孝太郎さん、Ant GroupのSerena Limさん、GoogleのCaleb Donaldsonさんが講演し、各社の考え方が示されました。
シンポジウムの終了後、19時からレセプションが開かれ、登壇者や関係者と意見交換。Shira Perlmutter米国著作権局長とお話しできまして、今後も詳しくヒアリングできるかもしれません。
https://pbs.twimg.com/media/FyV0kzYacAExGuY.jpg https://pbs.twimg.com/media/FyV0lhRaAAIAsks.jpg https://pbs.twimg.com/media/FyV0nf1akAA9kQA.jpg https://pbs.twimg.com/media/FyV0oHUakAA7Uga.jpg
https://note.com/dyr_core/n/n3f66dd3fe6fd
本noteは2023年6月10日に早稲田大学小野記念講堂及びZOOM中継にて開催された、第1回「US-Asia Comparative Copyright Law Roundtable (June 10, 2023) / U.S.-Asia国際著作権シンポジウム[人工知能と著作権法]」
https://rclip.jp/2023/04/08/20230610/
にて、登壇者の赤松健参議院議員の講演内容を文字起こししたものです。
デジタル社会推進本部のAIPTプロジェクトチーム、これも事務局次長(*ネットメディア局次長を党HPで確認)、もう1個デジタルコンテンツ小委員会(*デジタルコンテンツ戦略小委員会)これね著作権法なんかの検討するところですね。これのどちらも役員やっておりまして、ここがいろんな各業界団体からも海外も含めてこれね呼んでヒアリングを行うということなんですよね。
生成AIの活用
ゲーム業界ではですね、すでにこうすごい活用されてるんです。いろんな登場人物のセリフなんかをAIで作ったり、その色んなテクスチャもそうですけども、
漫画の現場ではですね、AIで生成された絵を参考にして0から作画するような利用例が多いようです。
学習元の権利者への金銭的な見返りはどのプレイヤーも前向き
課題
初心者中級者までのイラストレーターからは毎日のように何十通DMきます。苦情が多く来ます。特にLoRA、Low Rank Adaption、特定の作家さんの画風を真似るみたいなこう手法があるんですね。これに関してですね、怪しげなビジネスがすでに色々起こっていて、非常に評判が悪いと。これ対応考えなくちゃいけないなと思います。
アシスタント代行のAI化を禁止せざるをえない
ロジック不明基素.icon
ネガポジ分析
ネガティブ
自分の絵柄、これ一番重要です。絵柄の要素が簡単に抽出されてお金儲けに使われる、これ悔しいと。これ絵描きとしては分かります。
ポジティブ
面倒くさい作業をAIに任せて自分のクリエイティブに集中できる。新しい表現が可能になってくる。
...アイデア出しに使えます。もういっぱいアイデアを絵柄もねポーズ とか色味とか、こういうものがいっぱい出して、あ、こういう発想があったんだ。どうしてもね、自分の得意な色味とか自分の得意なポーズしかね描かなくなってくるんですよ絵描きはね。...
規制派の意見と所管
著作権法30条4但書きを改正して学習禁止範囲を明確化せよ
そもそもの但書きの解釈が今これ問題になってるんであって、解釈の明確化が先決ですよ。そこを飛ばして立法してくれってなかなか難しいです。
法改正にはですね年単位の時間かかるんです。今からやるとすると来年の、え~来年審議して再来年ってことになるでしょうね。
学習はオプトインにせよ
テキストも同様に扱う必要があり、大鉈になりすぎる
これ大変な法改正になりますよ。あのですね、画像だけオプトインにしてくれっていう、たぶんね、イラストレーターの方が思ってるんですが、テキストは OK なんですかと。テキストはいいですよ、と軽くおっしゃる。それはね、テキストもね、オプトイン必須ってことになりますよ。新聞社なんか求めてますよ一部ね。
ダブルスタンダードだな基素.icon
テキストも画像もオプトイン必須とかにでもなるとですね、学習ですね、日本は180度方針転換ですよこれ。大変なインパクトですよ。
海外はオプトイン必須ではないので実効性がない
海外でもね、オプトイン必須にしようなんて法改正してるとこどこにもないですよこれ。あまりにも技術開発をあまりにもねこれ阻害してしまうので、オプトインをねこれ学習を法律で義務化するのは非常に厳しいと私は思っている。
日本だけオプトインにしても海外で読み込ませ放題だったらこれ実効性に欠けますよね。
あと画像化したテキストはどうなのとか、画像のバイナリデータをねテキスト化したらどうなる、色んな抜け道がありそうですよね。
オプトアウトで学習済みデータから自分の絵をポコッと削除してほしい
学習済みのモデルに画像そのものは含まれないため、依拠性の立証方法が不明
LoRAファイルの中にはですね画像は入ってないんですよね。変換器の中身はそのもの画像、そのものを記憶してるわけじゃなくて、ノイズの取り除き方を表す数値の塊、まあ行列ですよね、...依拠性をどうやって立証するのか。これ30条の4の但書きの該当性を争うの? 色々考えてこれなかなか難しいというふうなことだと思います。
何を学習したのか明らかにせよ
ちょっと法律 でっていうのはちょっとあれですけども、これ結構いいと思います。何を学習させたかってのが分かってくれば ですね、そっから払う経済的なね、見返りなんか払う準備もできますしね。非常に納得の行きやすい。
法律でってまた年単位でかかってしまうのでこれを soft law(*緩やかな非法的規範)まあガイドラインで検討すべきだと私は思います。
補償金制度を創設しろ
法律でお金を払わないと学習できないっての強制すると30条の4の後退になって技術の発展に好ましくないと思います。
...あらゆる 学習について法律で補償金制度を創設するならしっかりね、権利者に分配しなくちゃいけないですよね。これなかなか難しいんです。このスキーム作るのはね。
で後で出てくるんですけど法律じゃなくてもですね、利益還元ができれば権利者団体としてはまあまあ いいです。
補償金還元の仕組みの提案
利益還元をうけて文化を後押しする基金を作る
JASRACのような包括団体を作るのは困難なためまるっとやる
基金としてねこれ文化事業として、漫画、アニメ、イラスト、そういったものの発展に寄与するというようなことをして各クリエイターの産業をね、後押しすると。こういうようなもの、1個考えられると思います。 ただですねこれ問題点はクリエイターがこれ 全然納得しないということがありますね。
課題
クリエイターからの同意が得られないと考えている
クリエイターの権利団体への所属率は低いので個別のやり取りになってしまう
生成AIを作成している会社は今どこも赤字を垂れ流して使っているので現時点では還元できない
便利で使いやすい正規版LoRA
大きな割合を利用手数料とする
将来的に脳梗塞やパーキンソン病になってかけなくなった作家に恩恵があるかも
日本の文化のプレゼンスを高める
ガイドラインを作る
なるべく透明性のあるモデルをつくれ
正規版を使え
日本発生成AI
データセットの整備
使いたくない人の安心も重要
FANBOX, fantia, ci-enでのAI生成作品の一時発表禁止の動きは好意的に評価
ウォーターマーク
AI判定
基素.icon
書き起こしの強調やフィラーは読みづらくする要因になる
比較的バズった要約 https://twitter.com/hiraizm/status/1668053030883966976 を本文を見た後に見ると、アンバランスに感じる
生成AIの問題点の指摘やリスク懸念を『苦情・反AI』と表現する赤松氏の感性や、
反AIは確かに単語としては出ているが、全体としては規制派と表現されている
苦情であることは確か
② 他から迷惑、害悪を受けていることに対する不平不満を表わしたことば。
https://kotobank.jp/word/苦情-483420
「苦情を言う人」≠「悪質クレーマー」では?
『生成AI企業からの収益還元の話の後に、その原資はない』といった矛盾が所々入り混じり、
矛盾しているわけではない
前向きに検討するように合意をとっているが、今のところ赤字なのでないという話
まぁ、そもそも前向きではないという会社はないと思う
あらゆるUGC/PGCプラットフォーマーは還元する姿勢を見せている
YouTube、ドワンゴ、pixiv、...
そもそも投資期なのだから赤字なのは当然
赤字の状態でもクリエイターには関係ないとし、金を要求するという手法もあるが
しかしわたしはこれは大して期待できないと思う基素.icon
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/34453/2/1/1 と同じような構造になるはず
stable diffusionは23億枚の画像から出ているわけで自分の絵が100枚ぐらい参考にされていても単純な寄与率は4.3×10^-8
仮定
広告産業4兆円。ものすごくざっくり計算して仮に10%が生成AIの売り上げになるほど流行ったとする
クリエイター還元率が大きく見積もって50%だったとすると
4×10^12×4.3×10^-8×0.1×0.5=年間8600円の利益になる
これはかなり大きく見積もっている
金はあればあるほどいいが、1万円もらってもな…
生成結果への寄与率という複雑な計算はおそらく現状不可能
というわけで赤松議員は公式LoRAなどの比較的現実的なマネタイズモデルと透明化案を提案している
代表者としては不相応な方だと感じました
私はそうは思わなかった
様々なステークホルダーを未来を見ながら調整するので複雑になるのは当然