マネタリズム
二十年前にMilton Friedman一派は、FRBなど中央銀行はマネーサプライの増加を、たとえば3%で一定に保つだけで経済を安定航行させられると主張していた。たぶんこれは当時としてもあまりいい考えではなかったはずだけれど、いまや問題外だ。 というのもだれもマネーサプライが何なのか合意できないからだ。フリードマンのルールのかわりに、中央銀行は裁量に頼らざるを得ない——そして一部の人は、その能力すらいずれ失われるのではと懸念している。連邦準備銀行や外国の中央銀行は、いまでも経済を動かすかなりの力を持っている。というのも新しい金融形態と新しい種類の市場の広がりにもかかわらず、勘定の決済は最終的に緑のお札か、FRBでの預金——これは同じものだ——で行われるからだ。
だが経済学者たちはすでに物理的なお金が陳腐化し、電子的な勘定が、公式に認められた交換媒体なしに精算できる世界について考え始めている。そうした世界で金融システムをコントロールするのはだれだろう? 何かがおかしくなったときに、それをだれが救う?
2021年現在、暗号資産が出回り始めている。しかし本邦においてはきっちり税金は取られる