ディエゴ・ベラスケス「ラス・メニーナス」(1656)
https://gyazo.com/c0d4de96cf84545c6464c002b004901e
幼いマルガリータ王女を取り囲んでいるのは、お付きの女官、侍女、目付役、2人の小人と1匹の犬である。彼らの背後には、大きなカンバスに向かうベラスケス自身が描かれている
『ラス・メニーナス』は、作品の元のサイズより、左右とも切り落とされて小さくなっている
補修されている
王女の左頬は、顔料の損失がかなりひどかったため、ほとんど全部塗り直されることになった
17世紀のスペインでは、画家が高い地位を得られることは、めったになかった。絵画は、あくまで工芸であって、詩や音楽のような芸術とは見なされなかった(5)。 しかし、ベラスケスは、フェリペ4世の宮廷で、苦労の末1651年2月、侍従長( aposentador mayor del palacio )に任命された。このポストのおかげで、ベラスケスは、地位と収入とを得ることができた。しかし、同時にその任務にかなりの時間をとられることとなった。
人生最後の8年間で、彼は作品をほんの少し仕上げられただけだったが、その大部分は王家の肖像であった(6)。
『ラス・メニーナス』を描いたのは、彼が王宮で働き始めて33年目のことであった。