ディエゴ・ベラスケス
17世紀のスペインでは、画家が高い地位を得られることは、めったになかった。絵画は、あくまで工芸であって、詩や音楽のような芸術とは見なされなかった しかし、ベラスケスは、フェリペ4世の宮廷で、苦労の末1651年2月、侍従長( aposentador mayor del palacio )に任命された。このポストのおかげで、ベラスケスは、地位と収入とを得ることができた。 しかし、同時にその任務にかなりの時間をとられることとなった。人生最後の8年間で、彼は作品をほんの少し仕上げられただけだったが、その大部分は王家の肖像であった