進化経済学
経済主体
Miyabi.icon自律的に判断・行為するベイズ脳的な限定合理主体を経済主体として設定。 経済観
貨幣が生成する市場を、複雑系として理解・説明するのがポイントであり、自己組織化的に生成変化していく,進化システムとして捉えている。 対比的な視座の経済学
以下詳細
進化主義の経済理解
市場秩序は,自己組織化的に生成・維持・変化していく,大規模で複雑な進化システム 内部観測的視点からボトムアップ式に経済世界を構成。
貨幣が生成する市場を、複雑系として理解・説明する
Miyabi.icon文化進化などの広域システムとしての資本主義ではなく、あくまで経済を対象としている
構成主義の経済理解
外部観測的視点からトップダウン式に経済世界を俯談
外部観測者からみてに集権的に設計・構築されうる工学的システム。
競争市場が「見えざる手」を通じて実現するとされている,
構築主義のパレート効率性も,市場機能を適切に表現するものではない。
(2)[進化主義経済学の経済主体
Miyabi.icon自律的に判断・行為するベイズ脳的な限定合理主体 未来を予想する<前>に,現在の外的環境を認知
過去の経験の記憶を参照しつつ学習。
①限定合理的な主体で、情報収集・計算能力において限界をもつ
自らの内的モデルや記憶にもとづいて外的環境を認知・解釈する
認知・解釈の結果である内的モデルにもとづいて慣習的・定期的な判断と行為を行う,
②世界モデルと現実の予測誤差を修正する
判断や行為の結果と内的モデルのズレから学習することで,
自己の内的モデルと認知枠を修正する。
「認知枠」
経済主体が経済活動を行うために一般的ルールを定めた法・世間。
フロー・ストックに関する企業情報(たとえば、利益・損失や資産・負備)
記録・公開するための予会計・雑記などの社会的制度等。
「内的モデル」と認知枠を前提とすると、
経済主体は同一の客観的経済環境に対しても異なる内的モデルをもつ
即ち同一の状況でも異なる判断や行為を行う。
客観的経済環境を変化させる要因となる。
経済環境の変化が意思決定や行為の一義的な変化を帰結するとはいえない
Miyabi.icon多元性のある経済主体モデル
個々の経済主体のミクロ的行動
↓
経済システムの制度・構造やそのマクロ的な経済的変動を生む。
経済主体のミクロ的行動は,マクロ的な制度・構造・配置やその変動に規定される。
経済主体の内的属性も,外的環境の影響を受けて変化する。
一方向的な決定関係のみを考慮するのは十分ではない
方法論的関係主義
(4)メゾレベルの制度・慣習・ルール:
進化主義は,メゾレベルの媒体・制度である貨幣・信用制度 会計・在庫制度がミクロ・マクロの両レベルの相互作用に着目する。 メゾレベル
ミクロ(経済主体レベル)とマクロ(集計変数レベル)の中間
両者を媒介する明示的なルールや,
暗黙的な制度・慣習。
ミクロ的観点
経済主体は,合理性の限界がある
認知枠としての制度・慣習・ルール,
経済主体は意思決定や行為における自由を獲得する。
貨幣・信用や会計・在庫
最大化ではなく満足化を志向,
保有在庫や貨幣残高といった局所的情報を利用。
全商品の価格のような膨大で収集コストがかかる大域的情報
マクロ的観点,
貨幣・信用や会計・在庫
多元的・多層的な切り離し機構として機能。
ストック的緩衝になる
市場経済構造
経済主体間の緩やかな結合系
ミクロ・マクロ・ループとして形成
多元的・多層的な緩衝で再生産。
進化経済学における進化
1種のメタ経済学
経済を対象とする言説体型であると同時に,
経済学も対象にするメタ言説体系であると言う二重性
経済学の言説は、現実構成能力を持つ
理論と現実が相互作用を生じる
ある特定の経済理論が支配的になれば、それは人々の現実認識や解釈の枠組みを強く規定することになる。
理論が記述する経済モデルに近い状況を作り出すことがある。
理論は、現実を単に説明するだけではなく、現実を内的に構成し、それを変化させる