色認知
✅色を見る
視覚皮質で処理・分析された結果、色の感覚・知覚が生じる。
環境からの光刺激として網膜の錐体細胞が受容し,
可視光の波長の違いによって生じる色相,
光の放射エネルギーの強さによって 決まる明度,
色光の鮮やかさの程度である飽和度の3つがある。
マンセルの色立体
3つの属性を尺度化して数値を割り当て 3次元的に表現したもの
網膜には赤、緑、青の3つの光スペクトルに応答する錐体細胞がある。
これらの色が同じ割合で刺激されると白色を感じる。
つまり, さまざまな色の知覚は, これらの3色の要素の刺激の比率に応じて生じる。
3色要素の1つないし、 2つを欠くと色盲になり, 感度が鈍い場合には色弱 となる。
インクなどの色材の場合には,
シアン(青と緑の光を混ぜたものと同じ),
マゼンタ(赤と 青の光を混ぜたものと同じ)
黄色(赤と緑の光を混ぜたものと同じ)
3色が基本 色となり,それらを混ぜ合わせてさまざまな物体色を表現することが可能。
3 基本色の光を混ぜ合わせると白になるが, 色材の混ぜ合わせると黒になる。
このような色の加算による表現を混色という。
色に関する現象
補色残効
同じ色をしばらく観察して白や灰色の画面を見ると,
同じものを長く見ていると,見ていた対象が目に残ることがあり,それを残効とよぶ。
色があった視野の位置に別の色が広がって見える。
赤をしばらく見た後には緑が
緑の後には赤が,
青の後には黄色が,
黄色の後には青が,それぞれ薄く見る。
太陽などの強い光を見たり、
色の残効の場合は,色相環で反対側にある色が残り、その反対側の色の関係を補色とよぶ。
✅色情報の変換
網膜の錐体細胞から 入力を受ける水平細胞は,
3種類の錐体細胞がそれぞれ光を受け取った後、
水平細胞のレベルでそれらの反対色信号に色情報を変換している。
●色の恒常性 (constancy)
目に入る光の性質が大きく変化しても物体の色を正しく認識できること
ある特定の物体に同じ色を感じているとしても,
環境光 によって物体色は影響を受け、
網膜に入力されている光のスペクトル自体は異なることがある。
V4 が損傷したサ ルでは色の恒常性が損なわれることから,
この皮質領域が背景に与えられた波長の総量を分析して色を補正して知覚させていると説明されることが多い。
●皮質性色覚障害
V4 が損傷を受けても色盲になった症例が報告されている。
V4に至るまでの色情報の処理には問題はない。
網膜での波長分析などには問題はなくても
脳の損傷や障害によって色覚に異常が生じる。