統合情報理論
- 概要: 統合情報理論が意識とその物理的基盤との関係のいくつかの側面をどのように説明するかについて議論しています。 - 概要: IIT 4.0を提示し、物理的(操作的)用語で経験の特性を説明することを目指しています。
- 概要: 統合情報理論は、意識の主要なモデルの1つであり、意識の質と量を説明することを目指しています。
- 概要: 統合情報理論は、このようなことを行うための先駆的な試みを表しています。
- 概要: IIT 4.0を提示し、物理的(操作的)用語で経験の特性を説明することを目指しています。
- 概要: IIT 3.0を提示し、以前の定式化に対するいくつかの進歩を組み込んでいます。
- 概要: 意識についての仮説とその測定方法についての理論を提示しています。
- 概要: Tononi et al.は、意識における無言のニューロンの役割について、統合情報理論が検証可能な予測をするかどうかを主張しています。
- 概要: 統合情報理論(IIT)は、システムの意識についての数学的モデルを提案しています。
- 概要: 統合情報理論(IIT)は、経験の本質的な特性(公理)から出発し、それらを要件に変換しています。
Integrated Information Theory
Artificial Consciousness from the Perspective of Integrated Information Theory
元論文
重要と感じた部分抜粋!
意識の質・クオリア
意識の質的側面とは,
赤色を見たときに主観的に感じる独特の質,
「赤の赤らしさ」のことで,クオリアと呼ばれる.
ものに対して独特の主観的に感じる質のこと。
クオリアの重要な特徴
言語化不可能
他者と共有できない私秘的な体験である
2・2 意識の量・意識レベル
意識の量的側面とは,意識レベルと呼ばれ,
例えば覚醒時は意識レベルが高く,
睡眠時は意識レベルが低いという使い方をする。
意識は、しばしば意識があるかないかという all or none のものとして捉えられることもあ るが、
実際は連続的に変化するものであると考えられている.
意識のハードプロブレム
意識のハードプロブレムとは,
脳を出発点として脳を理解することから,
意識がなぜ生まれるかを解明するという論理方向
IIT とはこの方向性とは逆。
意識が存在するということを前提とする
↓
自分自身の意識の観察(現象論)から,
意識の本質的な性質を同定、数学で表現し,
検証可能な予測を行う.
IITのアプローチ
最初に断っておくと,
IIT はいわゆる「意識のハード プロブレム」を解決しようと試みる理論ではない.
「意識のハードプロブレム」とは,なぜ電気的・化学的な反応の集合体である脳活動から,
主観的な体験が生まれる のかという問いであり,現代の科学の枠組みでは解けない問題とされている.
我々の脳を詳細に調べることによって,
その情報処理過程は明らかになってきた。
しかしながら、
なぜその情報処理過程が行われた結果、
生成される表象特有の主観的な体験が生まれるのかがいつまで経っても説明することができない。 5.意識の本質的な性質 IIT は,自分自身の意識の観察(現象論)から意識の 本質的な性質を同定する.
本質的な性質は「公理」と呼 び,公理自体は自明な前提として扱い証明しない.
公理 は,以下に示す「情報」,「統合」,「構造」,そして「排他」 を入れた四つであるが,
本稿ではページ数の関係上「排他」については扱わない.
現象論的アプローチは、
情報
第一の本質的な性質は「意識は情報を含んでいる」と いうことである.例えば,「赤いリンゴ」という意識経 験は「赤いピーマン」でもなく , 「緑のリンゴ」でもなく , , 「黄色いアヒル」でもない.「赤いリンゴ」特有の主観的 な経験をもとに,我々はそれが食べ物なのか,動物なの かなど,さまざまな情報を得ることができる.ある一瞬 の意識体験とは,その他あり得たさまざまな可能性を除 外して選ばれた一つであり,この意味で多くの情報を含 んでいる.
統合
第二の本質的な性質は「意識は統合されている」とい うことである.
例えば,我々が「赤いリンゴ」という意 識経験をもったとき,「赤」と「リンゴ」とが常に統合されており,
リンゴを伴わない「赤」だけの意識経験, もしくは赤を伴わない「リンゴ」だけの意識経験をもつ ことはできない.また,我々の視覚経験においては,左視野と右視野が常に統合されており,
「左視野」だけの 意識経験,もしくは「右視野」だけの意識経験をもつこ とはできない.
5・3 構 造
第三の本質的な性質は「意識は構造化されている」と いうことである.
我々は「概念」をもっており,構造化された意識経験をもっている
6.統合情報理論の数理
意識の本質的な性質を満たすために,
物理系(例えば脳)が満たすべき必要条件は,
「系の内部で情報が統合されており,情報が構造化されていること」である.
ここで「情報」 , 「情報の統合」 ,
「情報の構造」という概念を
6・1 情 報
IIT における情報とは,
「システムの現在の状態が,システムの過去,未来の状態に対してもつ情報」を定量化したものである.
これは,システムの現在の状態を知ったときに,
それを引き起こした原因(過去)は何であり,
結果(未来)が何であるかをどれだけ予測できるかを定 量化することにほかならない.
現在と過去および未来との因果性を定量化することと言い換えることもできる.
システムが多くの状態を取り得る可能性がありかつ,
現在から過去,および未来への因果性が強ければ強いほど内的な情報量は大きくなる.
具体的な例として,二つの素子からなるシステムを考える.
この素子はそれぞれ 1 か 0 か(ON か OFF)かの状態を取り,
自分自身およびもう片方の素子から入力を受け取っているものとする.
両方の入力 が 1 であれば,次の時刻で 8 割の確率で 1 となる.
それ以外のときは,8 割の確率で 0 となる.
この二つの素 子は自分と他方の素子のインプットの AND ゲートの機能をもっていて,
8 割の確率で正常に機能し,2 割の確率で失敗する素子だと思ってもらえればよい.
このシステムの状態遷移をまとめた遷移確率行列(Transition Probability Matrix:TPM)は図3 のようになる.
TPM は時刻 t でシステムがある状態にあったとき,
次の時刻 t+1 で,別の状態へ移る確率を示した行列で,システムに内在するメカニズムによって定まる行列である.
考察
だいぶ前で浅いので追記
、自由エネルギー原理っぼい説明をするならば、
「システムの現在の状態が,システムの過去,未来の状態に対してもつ予測」
となる。それ故意識の状態は遷移的であり。各神経の情報の交換が必要条件である。
予測ということは、確率や積分(経路積分)で表せる。
視覚の場合。図形Aに隠れたある対象Bの面積が一定以上の時、
下に隠れているという予測(自由エネルギー原理による認知)を行う。
というより、 サプライズの最小化のために、能動的に観測を行う
言い換えれば、自由エネルギー原理を用いて、完全に主観的な確率のメカニズムの説明が可能。
主観確率主義における主観性が再帰性を持つ