UIと視覚
視覚は、絶対的な明度ではなく、
色の差 (境界) を感知するよう特化している色を識別する能力は色の表示方法に左右。
色弱の人もいる
● ユーザーのディスプレイの状態やその周囲の環境が色の知覚に影響を与える
低周波に対する感度がよい錐体 (L錐体) 可視光線のほぼ全体を感知するが、
中周波 (黄) と低周波(赤)に対する感度がよい。
中周波に対する感度がよい錐体 (M 錐体)
高周波の青から中周波の黄とオレンジまでを感知するが、全体的にはL錐体ほど感度がよくない。
色による感度差
高周波に対する感度がよい錐体 (S錐体) 紫や青といった高周波部を受け持つが、
緑など中周波にも若干反応する。
この錐体細胞は全体的な感度がほかの2種類より悪く、数も少ない。
そのため、人間の目は青や紫に対する感度が鈍い。
ディスプレイ環境への配慮
ディスプレイによる色彩表現の違い
グレースケールディスプレイ
ディスプレイを見る角度
周囲の照明
1.似通った色を避ける
色の識別を助けるため、色合いだけでなく彩度や明度も利用する。
2.はっきり見分けられる色を使う。
人間の視覚系は、網膜にある錐体細胞から送られ てくる情報を処理して、
「赤-緑」 と 「黄-青」の2つの反対色チャンネルと 「白黒」 の輝度チャンネルの信号に変換する。
人間が容易に見分けられる色は、
色知覚に関わるこの3つのチャンネルの1つで、
正か負の強い信号を発生させ、他の2つのチャ ンネルでは中性信号を発生させる。
具体的には赤、緑、黄、青、黒、白。
これ以外の色はどれも2つ以上のチャンネルで正か負の信号を発生させてしまうため、
3.色弱に配慮する
暗赤色と黒、 暗赤色と深緑、青と紫、 淡緑色と白等の組み合わせは避けるべき。
暗い色に、暗赤色や青、 紫を組み合わせてはならない。
暗赤色や青、紫と組み合わせるなら、淡黄色や緑にせよ。
4.色以外の手がかりも併用する
色だけに頼らない。 何かを際立たせようとして色を使うときには、他の手がかりも併用する。
5. 反対色の隣接や重ね合わせを避ける
反対色の関係にある色同士を隣接させたり、
重ね合わせ たりすると、目がチカチカしたり、どぎつく感じられる。
中心窩と周辺視野の分解能
中心窩は 「画素密度」が高い網膜にあって、
光を感じ取る視細胞の一種である錐体細胞が片目だけでも600万個から700万個ある。
錐体細胞は色を認識できますが、感度が低く強い 光がなければ反応しない。
また、中心窩に密に分布していますが、周縁部ではまばらであり。
中心窩には1平方ミリメートル当たり158,000個あるのに対し、
周縁部では 9,000個しかない。
周辺視野からのデータは「圧縮」される
―中心窩の錐体細胞の大半は、自分が獲得した視覚情報を処理し
伝達する自分専用の神経節細胞をもっていますが (1対1対応)、
網膜の周辺視野では約100個の錐体細胞と桿体細胞が1つの神経節細胞を共用している。
これをコンピュータ的に言うと、
「周辺視野で得られたデータは圧縮され脳へ伝達され、その過程でデータ損失が生じるが、中心窩の場合はデータ圧縮も損失も起こらない」
データ処理能力にも大差がある。
中心窩が網膜に占める割合は約1%にすぎず、脳の視覚野は中心窩から送られてくる情報の処理に約50%もの領域を割り当てている。
残る50% の領域で網膜の残り 99% から送られてくる情報を処理している。