割った木
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室町時代に大鋸(おおのこ)が導入されるまでは、楔と槌(石鎚、木槌、鉄鎚)を用いて「木を割る」ことで材を製材し、建材をつくることが一般的でした。木割りを行うと、丸太は木の髄、枝の生え方とねじれに沿って分割されていきます。そのまま扱えないものではないですが、もう少し人との距離が残ります。触っても棘(トゲ・ソゲ)が刺さらないように、古来から釿(ちょうな)という道具と技術を用いて割ったのちに現れる複雑表面を触れるものへと整えます。木といういのちから、材という関係性への流れ、木割りによって現れた木の複雑平面からものづくりをすることは、均質ではなく、再現性のない価値との対峙でもあります。