等差数列の和
この公式自体は$ S_a = \frac{ 1 }{ 2 } n(n+1)ということで有名ですが、そのしくみと成り立ちを考えてみます。
これから述べますが、等差数列の和は「カウントダウン、アップの数列の和を足して半分にする」というイメージで作っていきます。
まず、数列の和をふたつ用意する。
ひとつめは、1からnまでの整数列の和、
$ S_a = 1 + 2 + 3 + ... + (n-2) + (n-1) + n
です。これは今回欲しい「等差数列の和(1からnまで)」そのものです。
ふたつめは、その順番を逆転させた数列の和
$ S_b = n + (n-1) + (n-2) + ... + 3 + 2 + 1
を用意します。これは順番こそ違いますが、和としては$ S_aと同一です。
これを順番に足してみると・・・
$ S_c = S_a + S_b = n+1,n+1,n+1,...,n+1,n+1,n+1
あら不思議、全部の数列が $ n+1になりました。こうなると料理しやすくなります。
どうしてかというと、すべての項が同じ値(なのに和は2で割ると$ S_aと同じ、これは後述)なので、割ったり平均を取ったりなど、色々と単純に捌けるからです。
ここで、もともと欲しかった数列の和は$ S_aであることを思い出してみます。さらに$ S_bは総和としては$ S_aと同値です。(順番を入れ替えただけなので)
つまり$ S_cを半分にすればもともと欲しかった$ S_aがでてきます。
$ S_cの方は、はnを項数として、$ (n+1) \times nと表せます。
つまりもともと欲しかった$ S_a は
$ S_a = \frac{ 1 }{ 2 } n(n+1)と表せますね。
$ n+1のところは注意です。これは数列の和が1からnだったから$ n+1になっています。(どうしてかは上述の通り)
たとえば2からmだったら$ 2+mになります。項数もnとは限りません。
上のものは公式と言われているものですが、
意味を考えながら 柔軟に$ S_aと$ S_bを作ってやるのがいいですね。
nが項数であり、$ n+1のところは
まず、$ S_aと$ S_bを作って、足して、$ n+1を項数分($ n個)作って、それを2で割る。
二つの順序が逆の数列の和を足して半分にするという発想。
そのことにより、等差数列の和という、直感的には自力で計算していかないといけないようなものが圧縮され、公式化されました。これがすごい部分です。
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