ダイエット本要素マトリクス分析:ロバート・バーネット、クリストファー・ペイン『やせる経済学』
タイトル:やせる経済学
著者:ロバート・バーネット
クリストファー・ペイン
月沢李歌子 翻訳
出版社:ダイヤモンド社
刊行年(月):2019.06
①なぜ減量するのか、本を書いた動機:
経済学に根ざした減量の秘訣を伝えたくなったから(p.6)
②減量のメカニズム:
食べすぎによって太る(p.18)ので、食べる量を減らす
ダイエットは欠乏を体験すること(p.64)
②ダイエットの具体的方法:
毎日体重を計って一喜一憂する(p.44)
食べたものが翌朝の体重にどう影響するか実験するという原則
一日三回しっかり食べる週間をやめる。しっかりとした食事をするのは一日に一度(p.82)
カロリーを意識する、計算はしなくていい(p.116)
流行のダイエット法やダイエット食品に無駄なお金を使わない(p.158)
食事の変化を制限する
プチごちそう、プチ断食の習慣を取り入れる(p.255)
②メソッド名:エコノミストダイエット
③個別食品推奨・禁止の有無:有り
③個別食品推奨・禁止の具体的記述:
飲み物ではカロリーをとらない(p.193)
珈琲や紅茶には砂糖や人工甘味料を入れない(p.193)
炭水化物の摂取を減らす
④断食への見解:
しっかりとした食事をするのは一日に一度(p.82)
プチごちそう、プチ断食の習慣を取り入れる(p.255)
⑤食欲/空腹感への対処法の具体的記述:
空腹と満腹を伝える身体の合図を聞く
空腹をすぐに満たそうとしない、空腹の感覚が消えるまで待つ。本当に空腹なのか疑う(p.56)
友人や家族に精神的な支援を求める(p.57)
空腹感を楽しむ(p.58)。何か他の活動をすることで空腹感をまぎらわす。(p.58)
何を食べるかを決める指針となるメタルールを確立する(p.72)
⑥運動の推奨度(弱中強):弱
⑥運動への具体的記述:アスリートが痩せているのはすごく運動しているから
彼らも引退すれば太る人が多い(p.240)
運動に頼らずに痩せることが必要(p.240)
しかし、適度に定期的に運動するのはいいこと(p.240)
⑦継続法 挫折への対処:
現実的な長期減量目標と、やる気を高めるための小さな短期目標を立てる
目標を立てるときは時間軸が重要。20kg以上の減量は、18か月かそれ以上をかけて取り組む(p.148)
その他、ユニークな記述:
「少し過激なアイデアかもしれないが、紅茶やコーヒーに砂糖を入れないようにしよう」(p.193)
→アメリカでは無糖が過激なアイデアというのが面白かった
目次:
はじめに
序章
1章 希少性──なぜ毎日体重を量るべきか
2章 豊かさ──1日3食の神話をぶち壊す
3章 データ──カロリーを計算するのではなく意識する
4章 買い手は用心せよ──ダイエット業界のために時間と金を使わない
5章 均衡──変化は人生のスパイスだが、肥満の原因にもなる
6章 配分する──ごちそうを食べつつ痩せる
おわりに
謝辞
巻末注
上の7項目については下の記事を参照
レビュー
著者二人はブルームバーグに勤務するエコノミスト。
『やせる経済学』は著者の考えが私のものと非常に近く、読んでいてあまり違和感がありませんでした。
私も大学では経済学を学んだこともあり、著者の主張の展開には同意する点が多かったです。
一箇所気になるのが、経済学の「限界効用逓減の法則」に基づいて論を展開している所があります。林貴志氏によると、限界効用逓減の理論はあまり筋がいいものではないらしく、林氏は理論として成立しないとまで言っています。(林貴志『ミクロ経済学』)
私は林氏の主張を完全には理解できてないため、もうちょっと理解できたら追記予定です。
食事を減らして減量を目指す本として、怪しい主張もほとんどなく、実際に食事を減らすときの感覚とかが実感をこめて正確に記述されていると思いました
かなりおすすめの本です