もし記憶喪失になったら
maichan.icon「朝起きたら記憶喪失になってたけど仕事で電話しなきゃいけない」 maichan.icon「おはようございます、maichan.iconです」
「お世話になってますmaichan.iconさん、チョコありがとう」 maichan.icon「チョコ?」
「今日は声に元気がないですね」
maichan.icon「元気っていうか記憶がないんです」
「相変わらず突拍子もないですね」
maichan.icon「申し訳ございません」
「僕のことも覚えてないんですか?」
maichan.icon「申し訳ございませんが覚えておりません」
「チョコくれたのに?」
「あんなに僕のことが好きだったのに?」
maichan.icon「私達は恋人同士だったんですか?」
「僕のファンクラブ会員ナンバー1だって言ってくれたじゃないですか」
maichan.icon「一方的なファンだったんですね」
「僕と話すのが好きって言ってくれたじゃないですか」
maichan.icon「うわ〜、私がそんなことを」
「僕の声が好きって言ってくれたじゃないですか」
「今すぐ僕のところに来て仕事を手伝いたいって言ってくれたじゃないですか」
maichan.icon「ちょっと怖いな」
「初夢が僕だったって、嬉しそうに話してくれてたじゃないですか」 maichan.icon「病気だ」
「どんな夢だったか覚えてないんですか?」
maichan.icon「ないです」
「笑顔の僕がかっこよかったんでしょ?」
maichan.icon「重症だ」
maichan.icon「それはさすがにしてないと思います」
maichan.icon「本当に記憶喪失なんです」
「わかった!忙しいけんもう切るよ!はい!」
maichan.icon「ごめんな…さ…」
「仕事中に泣くのはアカンよ!」
maichan.icon「その感じ……」
「やっと思い出したんやね」
愧死(きし)とは、恥ずかしさのあまり死ぬことである。
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