活動②〜カードで自分なりの表現を〜
〇目的
情報収集・整理力、プレゼンテーション能力(制限時間内に合理的、かつ明確に伝達する能力の育成)の向上
〇古典単語で表現する
生徒自身が、自分が出題しようと思う単語をカードを作成する
メインイメージにつながるように感情をこめて単語を読み上げたり、スタンプ的なものを貼ったり、絵が得意な子はイラストを描いたり、写真(風景、表情、連想されるもの)を貼ったりする。
教科書単元であれば、登場人物に重要単語を吹き出しに入れてしゃべらせてみたり、これはと思うキャラクターに言わせてみたりしてもよい。
生徒が作成した単語カードを共有し、活動①の古典単語の習得などで用いて、より強い記憶の結びつけを図る
ただ機械的に暗記するだけでなく、いい意味で遊んでほしい。昔の意味のわからない言葉ではなく、今も昔も、言葉は人が何かを考え、思いを持って選び使うものであるというイメージを持てるとよい。
2、3種類ほどの同じような意味につながる単語や慣用表現をカードで作る
*個人でもグループでも可
例 慣用表現のカードでグループ分けしてみる
出家する(かたちを変ふ、御髪おろす、世を背く・・・)
死(いたづらになる、むなしくなる、はかなくなる・・・)
茫然自失している(ものもおぼえず、われかひとか、われにもあらず・・・)
例 敬語のカードでグループ分けしてみる
尊敬語(たまふ四段、たまはす、あそばす・・・)
謙譲語(たまふ下二段、たまはる、たてまつる*)
丁寧語(はべり*、さぶらふ*)
*のように尊敬語と謙譲語や謙譲語と丁寧語にまたがっているものも混ぜて作るように気づいてくれたらちょっと盛り上がりそう
分類前
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発展例
カードの単語をつなげてストーリーを考えて発表する *発表方法は自由度高めで各種カードを作ってつなげてでも、文章でもよい。
ブレイクアウトでわかれた各自のグループが、準備した単語をシャッフルして出し合い、シンキングツールのベン図などを使って相手グループに分類させる
*生徒たちが面白いと思った問題(作品)や教員が取り組んでほしいと思ったものは共有する
〇教科書単元で表現する
事前準備
予習ポイントなどを示したプリントをロイロノートを介して送信し、その資料を基に授業ノートを作成する。
アナログ的な授業ノートの作成により、「写本」により古典が連綿として伝わった事実をなぞらえ、一文字ひと文字に向き合う時間を体験するのと同時に、ノートのまとめ方や見やすさの工夫を重ねる機縁としてもよい
授業展開
①教員が例として、本文に関連する「お題」(例えば平安朝の装束を中心とする有職故実)について、ロイロのカードを用いて説明する
*葵祭の様子を映すYouTube動画や、『竹取物語』や『陰陽師』といった映画を部分的に活用すると、生徒にとって有職故理解の深まりが大きいと思われる
②前日までに生徒数名に対して、本文に関係する「お題」、例えば当時の恋愛観、無常観、というようなキーワードを指示しておき、それについて指定時間以内に解説する「解説者」の役割を担ってもらう
*イメージとしてはニュース番組のようなもの。ニュースアナウンサーが教員、取材記者や解説者が生徒であり、第三者がニュースや報道特集を閲覧し理解を深めることを意識し、第三者が見ても一つの「ニュース番組・報道特集」として成り立つような、一人ひとりが授業を創り上げることを期待したい。
*副教材である国語便覧を活用したり、例えば植物を調べる際は現代の「花言葉」をインターネットで調べて盛り込むなど、デジタルとアナログの往来、過去と現代の往来を意識できるとよい
発展例
「日本特有の習慣や価値観」、「現代における社会や世間との比較」といった視点から、教員が問いを与え(もしくは生徒自身が問いを考え)、ロイロのカード提出機能を使って意見や回答を収集、可視化できるとよい
*例えば当時の恋愛観に対して、「◯◯と思う人は青のカードを提出」「△△と思う人は赤のカードを提出」とし、全回答を公開する。また、そう思った根拠について、口頭で意見を募り議論に繋げる。