【理科】講義形式の授業
サブタイトル「とりあえずやってみました(やってみます)オンライン授業」
オンライン授業は、大学を中心に「オンデマンド型コンテンツ」つまり「いつでも見ることができる講義動画」をYouTubeなどで配信しているケースが多くあります。ここではそのスキルを紹介するのではなく「ロイロノート・スクールを活用して」「取り組みやすいオンライン授業」についてご紹介します。
4回連続の「ロイロ超スクール for teacher」セミナーに参加された先生方の実践例を投稿いただきます。
(参考資料)
・Zoom + a(大阪大学)
Web会議システム「Zoom」 と 授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」を使った遠隔授業を行うためのページ
<いきなり雑談から>
とはいうものの「授業動画作るように学校で決まった」「動画編集なんかやったことないし」「分散登校や欠席者に授業動画を作らないといけない」なんて声もよく聞きます。そこで、ちょっとご紹介。
「ロイロノート・スクールだけで動画編集できるんだって!!」
講義形式の授業動画を作成する場合、通常は次のような構成となっていることが多いですよね。
①授業メインタイトル表示
②小項目タイトル表示
③先生が画面に登場して話す
④資料を表示
②〜④を組み合わせて繰り返すことで、オンデマンド型コンテンツを作成するとき、実はロイロノート・スクールが便利なんです。
例えばこんな簡単なカード構成を想定します。(※iOSアプリ版で説明していますので、他のアプリやWeb版ではできない場合があります)
https://gyazo.com/1e86d4fc9ffff32f85d454f363304d80
先生が苦心されるのは③のカードです。「一人で撮影すると動画の最初と最後に余計なシーンが入ってしまう」でも「誰かに手伝ってもらうのも気が引ける」し、、、、、
<Step1>
で、とりあえず一人で撮ってみましょう。
ポイントはiPadやiPhoneのロイロノート・スクール アプリ内のカメラで撮ることです。必要以上に解像度が高くならないことや、「コーデック」なんて訳のわからないことも考えなくて済むからです。
<Step2>
動画カードをタップして全画面表示させます。
https://gyazo.com/ab5016cb8a4f6ff8b0b3b8116aa74df0
<Step3>
「使いたいところの始めまで」動画を進めて「始」ボタン(画面左下)を押して、次に「ここからはいらないってところまで」動画を進めて「終」ボタンを押す。これで余分な前後の動画部分を消す(トリミング)ことができます。
※この時点では余計な部分の動画も表示・再生されますが、気にしないでください。
https://gyazo.com/f82fa7889d97e7b974ad159046078c94
<Step4>
カードが黄色い矢印でつながっている状態で、1枚目のカードをタップします。
https://gyazo.com/2afc6292ecf7357bc4b9cf8029726a93
右上の「(...)」をタップして「書き出し」をタップします。
https://gyazo.com/4344008e1c1ce5ed39dfb487c1cfeb6e
次に「動画ファイル」をタップします。
https://gyazo.com/67d01b7a34a7b9a842a750226b6972b5
<Last Step>
これでカメラロールに動画ができました。直接の配信やYouTubeへの投稿も可能です。
各カードに音声の指示を入れておくことで、自学教材を作成できます。
トリミングを利用すれば「1つの動画カードをコピーして2つ作り、それぞれをトリミングして、中程にある不要な部分を消す」なんてこともできます。
動画カードに別のカードを重ねて(Picture in Picture)表示させることもできます。
ここまでの機能を使えば「オンライン授業のためのコンテンツ」だけではなく「反転授業教材」「自学自習教材」の作成も比較的容易に作成できるだけでなく、「カードの使い回しで楽して教材作り」ができちゃいます。
(参考資料)
・PowerPointのスライドショーに音声を入れてyoutube動画にする方法
以上で雑談は終わりです!
では先生方の実践例をどうぞ!!
<ここからが本当の内容です!>
具体例 講義形式の授業やってみよう!
ここでは「プロット図」というシンキングツールを使って、簡単な授業の流れを書いています。
<具体例①>杉野 広明 先生(高校生物・化学・物理)
高校 生物「生命現象とタンパク質」
https://gyazo.com/87aacb61253224c25e875b7e2b09f664
展開1
本時の内容を定時(ロイロノート・スクールのカードを配信)
展開2
動画や画像を使って理解を深める
展開3
課題に取り組んで提出
展開4
演習を通してより深い理解を
電子黒板を用いて説明する様子を配信
入試問題との関連についても意識させて
展開5
質問箱と目安箱(提案箱)を作っての相互交流
<具体例②>金子 真紀 先生(中1)
身近な植物を観察してみよう
画像
https://gyazo.com/addc771106cfecbb6c8707fecb808e74
展開1
身近な植物をピックアップする。
屋内や庭、駐車場や公園などの植物を採取または撮影。
難しければGoogleなどの検索サイトで「植物」と画像検索し、出てきた植物のどれかを選んでも良い。
展開2
様々な観点で分類する。
全体の形・地上高・茎の表面・実の形
葉の位置・葉の形・葉のへり・葉の長さ・葉の幅・葉脈
花の色・花の形
シンキングツールを用いて分類しても良い。
展開3
→掲載は問題ないことを博物館の方に確認しました!多くの先生方に見ていただくことが目的ですので、是非ご紹介くださいとのことです!
https://gyazo.com/60a5959d3a5168910ed2c25fed4faa8a https://gyazo.com/fcd81c6fc1a7ea700beda34d276f8ac6 https://gyazo.com/0408cc7fc796f6f63e68c256432bd6b8 https://gyazo.com/2a6a76c9daf9abfb15c8af44d052f498
展開4
植物図鑑を作成する
特定した植物一つにつき1カードに分類、クラスで共有することでクラスの植物図鑑を作成する。
⭐ポイント⭐
生徒は「自分で探した植物が何であるかを自ら調べる」と共に、「クラスの皆で一つの図鑑を作り上げていく」協働作業を行うことができる。
提出箱に提出されたカードを回答共有することで、互いに刺激を受けてより良い図鑑となるようカードに創意工夫を凝らしていくこととなる。
「野草雑草検索図鑑」は、各植物の特徴をもとに検索結果を絞っていき画像つきで表示していく。その際「完全一致」「ほぼ一致」と幅広く検索していくため、色々な植物を見ながら確認していくことができる。その過程で類似したものが表示されていくので、知見を広げることができる。
<具体例③>若原 万莉 先生(小2)
小学校生活科 生きもの博物館をつくろう
子どもたちが自宅にいても、身近な生き物や植物を知ったり、動いて考えて、見て考えて、遊んで考えてできる学習を作りあげよう!
https://gyazo.com/da4d16c9f992c0a44620d47e8f24cb5a
展開1
「身の回りの生き物を見つけよう。(植物、生き物)」〜 出会い編 〜
ロイロノート・スクールで、写真を撮って生き物を見つけ、記録をしていく。(ロイロノート・スクールで生き物図鑑を作る)
動画を撮っても、絵を書いても、何をやってもよく、自分のやりやすい方法を見つけられるよう促す。
いろんな生き物が大好きになれるように、興味を持って取り組めることを第一に考え、お家と連携を取りながらタブレット端末等の準備をしていただく(学校からの案内)。
展開2
「どんな生き物かな?調べてみよう!」〜 調べる編 〜
見つけた生き物を図鑑やネットで調べたり、見つけた場所などを記録したりする。
ロイロノート・スクールを使って、ネットで調べる方法を学ぶ。
わくわくずかん「こんちゅうはかせ」「しょくぶつはかせ」などをいつも身近に感じ、「気になったこと」「知りたいこと」を調べる習慣や方法を増やしていく。
展開3
「生き物のひみつをしろう!」〜 解説編 〜
NHK for School を見て、季節折々の生き物や植物のことを知る。普段は、学校でみんなで考える部分を映像等を活用し、学びを進めていく。 生きののひみつを知ったら、ノートやロイロノート・スクールにまとめる癖をつける。
展開4
「ロイロノート・スクールで生き物図鑑をつくろう!」〜 まとめ編 〜
ロイロノート・スクールで、出会った生き物のひみつに触れて書き足していく。
書き方見本を示し、①写真や動画を取り入れること、②気づいたことを書く、③考察することを自然と学べる用意をする。
1週間かけて生き物を集め、「オリジナル生き物図鑑」を作る。
のちに、出来上がった図鑑を共有し、クラスの生き物図鑑を作る。
⭐ポイント?⭐
ロイロノート・スクールの活用の仕方を広げていく → ・写真・動画・図を書く・調べる・まとめる。
提出の仕方、資料箱の使い方を工夫していく。
提出をすることを目的とするのではなく、あくまでも生き物との出会いを大事にできるように、長い時間をかけて取り組めるようにする。
自分で捕まえたもの、捕まえてみたいもの、身の回りのものへの興味関心を高められるようおうちの方にも啓発をしていく。
<具体例④>國領 正博(中3理科)
オンラインコンテンツ+Zoom+ロイロノート・スクール=「お手軽オンライン授業」
https://gyazo.com/9049f7dbc5dabe78f924f3515ceed1a3
展開1
Zoomミーティングで前回の授業を軽〜く振り返り
PCと使ってなかった古いiPhoneに「EpocCam」というアプリを入れて、手元の教科書やプリント、iPadの画面などを映しながら説明するとやりやすかったです。PCと同じWi-FiならワイヤレスでOK!
(参考資料)
EpocCam
展開2
既製の動画を視聴させる
展開3
動画を見てからの質問や疑問を自由に発言させながら展開
このときにルーレットアプリなどを画面で表示させて指名すると結構盛り上がります。
その場で教科書やネットで解答を探させて、その情報をロイロノート・スクールで提出させて回答共有すると結構盛り上がります。
他者の回答(情報)をもとに調べ直したり、疑問を持ったりと授業が膨らんでいくこともよくあります。
展開4
いきなりテストします。しかも短時間で。回答はノートに書かせます。
時間が来たら模範解答も配信します。
採点、誤回答の修正もさせて、ノートを写真に撮ってロイロノート・スクールの提出箱に提出させる。
展開5
疑問があったり理解が進んでいない場合は残って質問と解説を繰り返す。
⭐ポイント?⭐
面白くなさそうだけど生徒は「自分で動画で学んで、自分で理解して、自分でテストができるようになった」と感じるのか、アンケート調査をしても高い評価が返ってくる。日常的に自学を多く取り入れての授業展開を多用していたため「いつも通り」といった解答も多い。
よく「画面を見続けて疲れる」と言われているが、「動画を視聴し続ける」のではなく、ほとんどの時間は静止画と自身の教科書やノートに向かっているためか、そのような感想は出たことはない。
しかし、やはり「実際に実験がしたい」という要望は強く、反転学習としての位置付けをすると良いのかもしれない。
最後に私の好きなコンテンツを!
NHK for School「理科マップ」
<使えそうなサイト・素材情報>
野草雑草検索図鑑(千葉県立中央博物館)
<具体例⑤>土手 先生 (家庭科)
小学校家庭科 安全で快適な住まい
画像
https://gyazo.com/2730fea92cf4dbe7867b3bb471b125b1
展開1
あなたの家は安全で快適な空間ですか?(パフォーマンス課題の確認
展開2
モデル家族(共通課題)の住まいの問題を考える
モデル家族の家族構成と間取り図をロイロノート・スクールで送付。幼児、高齢者などの目線からも住まいの問題を見つけ、改善方法を考えさせる。
展開3
災害に備えた住まいの工夫を考える
NHK for schoolで地震の映像を見る
ロイロノート・スクールでモデル家庭で使える、固定器具やガラス飛散防止フィルムなど防災の工夫を提案させる。
防災バッグの中身や置き場所についても考える。
思考ツールで自分に必要なもの、祖母に必要なもの、幼児に必要なものを書き出し、共通の防災バッグと個人用に分ける。
展開4
自分の部屋(住まい)を安全で快適な住まいに工夫しよう
自分の部屋の危険箇所を撮影し、または簡単な図を書き、その箇所にあった改善方法を考える。レポートで提出。