個人的な音楽の理解について
対位法的理解
音楽とは第一にメロディの集合だと思っている。
和音の響きとかなんもわからん
すべてのパート(密集配置の和音セクションは例外とする:コードバッキングとか)が何らかのメロディである。
それらメロディが”イイ感じに重なった”上で程よく機能和声(和音やコード)を構成している。
バッハ的
バッハはもともと対位法全盛の時代から和声法が成立する時代の過渡期のひとで、両者をうまくバランスしていたのですごいひと扱いされている(多分)
音域の高さやボリュームでパートの序列をつけるなら、次の順で重要。
一番高いメロディor一番デカいメロディ:主旋律、
一番低いメロディ:バス
カウンターメロディ
他パート(コードバッキングとか伴奏とか)
この観点のよいところ:
メロディなら人間にも歌えるので認知負荷が低い。
メロディなら人間にも思いつけるので創作負荷が低い。
この観点のだめなところ:
複雑な和音(テンションバリバリとかノンダイアトニックバリバリとか)とその進行を計画的に召喚するのが不可能
しょうがない。どうせ複雑な和音わからんからいいや。
そもそもメロディとは何?
ある(固定された)スケールに含まれる音の(音長情報付き)有限列
ではスケールとは何?
音楽においてその瞬間になっている音がすべて含まれるような音集合
に、その瞬間鳴っている最低音の情報を加えたものをさらにモードという。
しかし伝統的なモード概念は(特に命名規則が)あんまり筋がよくない気がする...ので、ここではスケールについて考えるが、モードについては考えないことにする。
よって、hoge長調とfuga短調はスケールの一種。
和声的短音階とか旋律的短音階とかブルースケールとかもそう
👆は循環定義にみえるが、実際メロディ(音の有限列)からスケールは一意的には決まらないことがあるし、決まらないことを利用したテクニック(転調、モーダルインターチェンジ)が意味をもつ。
ようするにスケールとは、その瞬間の音楽を構成しているパレットである。あらゆる音の集合があり得るなかで、その音楽のその瞬間には、そのスケール内の音しか鳴っていないことをもってして、聴いた人は「今~~っていうスケール(=雰囲気)だな」という印象をもつ。なので、スケールを制御することは曲の雰囲気を(大雑把に)制御することにつながる。
スケールは歌いやすい必要がある。というか、典型的なスケール(👆で上げた例)はすべて歌いやすい。逆に例えば、C,C#,D,D#,A,B♭,B,Cみたいなスケールはめちゃくちゃ歌いにくいので、理論上はスケールとしてありえてもまず使われないだろう。一方で、A,B,C,D,E,F#,G#,A(旋律的短音階)とかはまぁまぁ歌えるし、ブルースケールとかも(半音が詰まっているところを一部省略すれば)まぁまぁ歌える。総じてよく知られているスケールは人間が歌うことが可能なようになっている。
世界の音楽にはなんらかの意味でスケールが存在する。おそらくこれは、連続的な音程を許してしまうと、情報としての音楽の誤り訂正が不可能になってそもそも後世に伝わらないからと思われる。なので、音楽が文化として継承されるためには、音程は離散化し、それはあまり変えないでおく必要があった。その時の離散化方式としては、ピタゴラス音律や平均律が(西洋の覇権によって)主流となった。ピタゴラス音律は周波数比が綺麗なため和音がよく鳴り、平均率はピタゴラス音律の近似ではあるものの調の移行がスムーズなので便利である。
以上から、スケールというのは、実質的に「平均律の音程単位である半音をつかって、1オクターブを分割するやりかたのうち、人間に歌いやすいもの」と言ってよい。そしてスケールが固定されれば、もはや人間が音楽を認識するときに、わざわざ個々の周波数でそれを記憶する必要はない。「今のスケールは~だ」「今鳴った音はスケール中の~番目の音だ」さえわかれば音楽を再現できるのだから、そのように理解するようになる。つまり、人間の音楽認知は「スケール」と「スケール上の音名」で近似できるようになってくる。
そうすると、メロディを書く、または分析する、という立場からは、今目の前にある音楽(ないしメロディ)が、どのスケールに乗っているのか、そして今の音はその何番目か、というのが重要な情報になってくる。これは、めちゃくちゃ雑には、メロディを移動ドで歌うことと同じである。
すべての長音階と自然短音階の音程間隔は長2、長2、短2、長2、長2、長2、短2のくりかえしであるから、絶対的な音程を無視すればスケールとしては同一である。したがって、その曲の調が例えばイ長調であれば、実音Aをド、実音Bをレ…と歌うことができる。このとき、曲の調がわかっている(スケールを同定できている)上で、そのスケールの何番目の音か(ドレミ音名)がわかっている、ことなので、まさしくスケールを意識した上でメロディを把握していることに相当する。
メロディはどう積み上がるのか?
対位法
ググるといろいろ出てくる
基本的にはメロディ間の音程の推移についての経験則集
例えば、〇度で重なったメロディは次の瞬間”解決”(より協和する音程に動くこと)ことが望ましい、とか
要するに”緊張と解決”についてのtips集
〇度で重なったメロディは連続してはいけない(悪目立ちする・パートの独立性が損なわれるかららしい)、とか
勘
合いの手感とかグルーヴ感でなんとかしてしまう?
後で和音が付けられるようにする
めちゃくちゃに配置するとどの和音(コード)進行にもマッチしない状況になってしまい、あとで和音(コード)を付けるのに困る
典型的なコード進行をいくつか知っておいて、それにあまりにもマッチしないような音選びを避けるようにする。