肝内胆管癌
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Intrahepatic cholangiocarcinoma = cholangiocellular carcinoma = cholangioma
* 原発性肝癌取扱い規約 第6版 2015
○ Intrahepatic cholangiocarcinoma
○ Intrahepatic cholangiocarcinoma,well differentiated adenocarcinoma, eg,fc(-),fc-inf(-),sf(-),s0,vp0,vv0,va0,b0,im0,sm(-),f1
○ Liver cancer:Intrahepatic cholangiocarcinoma,moderately differentiated adenocarcinoma,im(+),ig,fc(-),sf(-),s0, vp1, vv0, va0, b1, sm(-), f0, pN0 total(0/6):8(0/4),12a(0/0),12b(0/2) 細胆管細胞癌 CoCC
○ Cholangiocellular carcinoma (moderately~poorly)
被膜形成のない境界不明瞭な白色調腫瘤・結節を中心に,胆管上皮類似に類似する円柱状,立方状の腫瘍細胞が線維増生を伴って浸潤増殖しています。癒合腺管を形成する成分が優勢な胆管細胞癌cholangiocellular carcinomaで、中分化型腺癌 moderately differentiated adenocarcinomaを考えます。
肝臓内に23×15mm大の境界明瞭な白色分葉状腫瘤がみられます。腫瘤最大径40mmの腫瘤形成型 mass forming typeで明らかな被膜形成は認めない結節を認めます。同部位に一致するように,管腔構造ないし篩状の構造をとる異型腺上皮細胞の増殖がみられます。
線維性間質を伴い胆管上皮様の腫瘍細胞が増殖しています。腺腔構造の不明瞭な充実性成分が大部分ですが、壊死領域や腺腔構造も示します。
肝内胆管癌(胆管細胞癌) intrahepatic cholangiocarcinomaで、高分化型腺癌 well differentiated adenocarcinomaの像です。
肝内胆管癌(胆管細胞癌) intrahepatic cholangiocarcinoma で、高分化型から中分化型腺癌 well~moderately differentiated adenocarcinoma の所見です。
肝門部の主病変以外に,肝内転移巣を散見します。腫瘍は浸潤性の発育を示し,周囲に被膜の形成はみられず,漿膜浸潤はみられません。明らかな門脈侵襲,肝静脈,動脈侵襲はみられません。リンパ節に腫瘍の転移はみられません。リンパ節への転移を認めます。
背景肝は門脈域の線維性拡大を示しf1に相当します。胆嚢に特記すべき所見はみられません。
二次分枝より末梢の門脈・胆管に腫瘍浸潤を認めます。漿膜への浸潤,胆嚢壁への浸潤は確認されません。肝切除断端に腫瘍の浸潤は確認されません。非癌部の肝線維化は乏しいです。多くの門脈枝には塞栓がみられます。
免疫染色では,同腫瘍はCK7+,CK20-,EMA+,CEA-,CDX2-です。
◇ 組織分類:
高分化型腺癌、中分化型腺癌、低分化型腺癌 (well / moderatel / poorly differentiated adenocarcinoma)
特殊型special type, variants:腺扁平上皮癌、肉腫様眼、紡錘細胞型肉腫様癌、粘液癌、粘表皮癌、印環細胞癌、扁平上皮癌、小細胞癌
◇ 肝内転移 im(-) im(+)
◇ 発育形式 eg ig 膨張性発育 浸潤性発育
◇ 被膜形成 fc(-) fc(+) 結合組織性被膜形成
◇ 被膜浸潤 fc-inf(-) fc-inf(-)
◇ 隔壁形成 sf(-) sf(+)
◇ 漿膜浸潤 s0 s1(漿膜浸潤あり) s2(他臓器まで浸潤:臓器名併記) s3(腫瘍破裂及び出血)
◇ リンパ節転移 n0 n1
◇ 血管侵襲 vp0-vp4 vv0-vv3 va0-va3
◇ 胆管侵襲 b0-b4
◇ 腹膜播種 p0-p2
◇ 切除断端 sm(-) ( )mm sm(+)
◇ 非癌部の組織学的所見 f0 (nl) f1-f4 (lc)
f0 線維化無し f1 門脈域の線維性拡大 f2 線維性架橋形成 f3 小葉のひずみを伴う線維性架橋形成
f4 肝硬変
◆ 肝癌治療効果判定基準 TE :Treatment Effect
臨床的に(画像的に)標的結節治療効果度の基準がある (TE4-1)
@ 臨床医に治療効果の判定を依頼された場合に適用してもよいか?
* 肝内胆管癌における腫瘍血管の多様性 肝臓 56 8 406-413 (2015) ○ perihilar large duct type (膵管癌に類似)
大血管に由来し肝門部付近を占拠する(胆管浸潤+腫瘤形成型)
大型の管状腺管や粘液産生をきたす。神経線維に浸潤し腫瘍壊死をみる。
○ peripheral small duct type (肝細胞癌に類似)
小型胆管に由来し肝末梢部を占拠する 分葉状の腫瘤を形成しやすい
異型小腺管構造を示す。癒合腺管や索状,充実性増殖形態もとることがおおい。
腫瘍内部の線維化による硬化性瘢痕が目立つ。取り込まれた門脈域が認識しやすい。
免染STEP1:血管内皮マーカー CD34,CD31
動脈性血管+肝星細胞 αSMA
動脈性血管
CK20、CK7
CDX2は陽性でもよい
細胆管細胞癌 細胆管癌 CoCC
* hepatic progenitor cell (HPC) 由来
* 肝臓 55巻2号 106-144(2014) 症例報告 HCC+ICC/一部CoCCの重複癌手術例 ○ Cholangiolocellular carcinoma
異型に乏しい小型,類円形の腫瘍細胞が豊富な線維性間質を伴い増生細胆管やHering管に類似する小管腔構造を呈しています。
免染Level1:EMA 細胆管は腺腔面の膜が染まり,胆管では胞体が膜より薄く全体に均質に染まるとされる
*胆と膵 2004;25:343-349 Nakano 細胆管細胞癌の病理組織学的特徴 CCCとCoCCの鑑別ではPAS及びEMAを行うこと
(@ 画像説明ができない以上、文句つけるヒトが必ずいるので、CCCの診断時には染めざるを得ないか?)
腺扁平上皮癌、肉腫様眼、紡錘細胞型肉腫様癌、粘液癌、粘表皮癌、印環細胞癌、扁平上皮癌、小細胞癌
胆管内乳頭状腫瘍 IPNB
胆管内上皮内腫瘍 BilIN
! 全肝癌の0.8%
* 肝臓 55巻2号 115-121 (2014) 混合型肝癌と肝細胞癌の同時重複癌 ○ Combined liver cell carcinoma and bile duct carcinoma
同一肝臓内に肝細胞癌と胆管細胞癌が同時に存在する場合を混合型肝癌としたが,肝癌取扱い規約ではそのうちのdouble cancer typeを重複癌とし,combined typeとmixed typeを混合型肝癌としている。さらに,WHO2010で,新分類が提唱されている。
→ が,コンセンサスは得られなさそう。
古典型混合型肝癌 classical type 肝細胞癌と胆管癌成分が確認できる。
混合型肝癌亜型 subtypes with stem-cell features
典型的型 typical subtype
肝細胞がんの腫瘍胞巣辺縁に幹細胞マーカーを有する小型細胞をみる。
中間細胞型 intermediate-cell subtype
腫瘍細胞が肝細胞と胆管上皮の両方の形質を発現する。
細胆管型 cholangiolocellular subtype
肝細胞がん成分の有無を問わない。以前の細胆管癌。
HCC成分:胆汁産生,Sinus trabecular,AFP産生,Heppar-1陽性,Arginase-1陽性
CCC成分:腺腔形成,粘液産生,MUC1発現
! CK19やCK7はHCCの10%ぐらいで染まる→予後不良。