NASH
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Fatty liver NAFLD (non-alcoholic fatty liver disease) NASH
* 日本肝臓学会NASH診断ワーキングループ
* NASH・NAFLDの診療ガイド 2015 日本肝臓学会編
○ Non NAFLD (5%以下)
○ Fatty liver (アルコール,薬剤など原因がある場合)
○ NAFL,Simple fatty liver (Matteoni Type1)
○ NAFL (Matteoni Type2)
○ NASH (Matteoni Type3)
○ Steatonecrosis + Mallory body or fibrosis, NASH (Matteoni Type4)
○ Burn-out NASH
Ballooningあり,lobular inflammation 1+以上,5%以上の脂肪変性を認め,NASHの像です。
○ Liver, needle biopsy: NASH
Fat:XX %
Ballooning:なし ごく少数 多数
Mallory-Denk body:なし あり
Lobular inflammation:― 1+ 2+ 3+
Portal inflammation:none mild moderate
Fibrosis:stage 0 - 4
NAS:XX /8
Brunt分類:stage 1-4, grade 1-3
Matteoni分類:type 1-4
SAFスコアー: 脂肪変性Steatosis
活動性Activity
線維化Fibrosis
Matteoni
Type1 単純性脂肪肝のみ simple fatty liver
Type2 脂肪肝+小葉内炎症lobular inflammationあり →脂肪性肝炎
Type3 NASH steatnecrosis ballooning
Type4 NASH 線維化 + Mallory body or fibrosis
肝細胞の5%以上に脂肪滴を認め,広義の脂肪肝です。30%以上に脂肪滴を認め,脂肪肝です。
自己免疫性疾患や飲酒歴が除外できれば上記と診断します。
NAS ! 活動度の評価であり診断基準ではない
単純性脂肪肝
①小型~中型脂肪滴の貯留および脂肪滴相互の融合像がみられる。
脂肪化肝細胞の領域は5%以下であり,脂肪化度は0です。
脂肪化肝細胞の領域は5~32%であり,脂肪化度は1です。
脂肪化肝細胞の領域は33~65%であり,脂肪化度は2です。
脂肪化肝細胞の領域は66%以上であり,脂肪化度は3です。
炎症反応が肝小葉の中心部に目立ち,巣状の炎症細胞集簇像として観察されます。門脈域は拡大を示し,ある程度の炎症所見を認めます。
②炎症強度は
炎症性障害巣なく,0です。
200倍視野に1病巣程度であり,1です。
200倍視野に2~4病巣を認め,炎症強度は2です。
200倍視野に5病巣以上を認めるので,炎症強度は3です。
胆汁うったいと細胆管増生を伴った門脈域炎を認め,アルコール性肝炎の可能性が考慮されます。
好酸体を認め,アポトーシスを示唆します。
Mallory-Denk小体を伴う,
③Ballooning(風船化)した肝細胞を認めます。核を中心に正常肝細胞の1.5倍以上となった,淡明化し,丸みを帯びた肝細胞を認めません,少数認めます,多数認めます。 数個のballooned hepatocytes 1点 (@ 強拡大で概ね1個認める。)
多数のballooned hepatocytes 2点 (@ 強拡大で数個を認める。)
*SAFスコアーにおけるgrade0-2 !ballooning において肝細胞の大きさは問わない
grade0:正常
grade1:肝細胞が丸みを帯び、細胞質が淡明化し網目状、顆粒状になった肝細胞集簇を呈するもの
grade2:肝細胞の大きさが正常の2倍以上となった肝細胞が1つ以上あること
◇ 主体は脂肪化で,淡明化による腫大がなくballooningとはいえません。全周性の丸みを帯びた変性を肝細胞に認めず,ballooningに乏しい像です。細胞内に不規則顆粒状凝集物を認めず,ballooningとはいえません。中心静脈周囲(zone 3)優位に認められず,ballooningとしづらい像です。
腫大した脂肪化肝細胞による脂肪肉芽腫の形成を認めます。
中心静脈周囲性に広がるpericellular fibrosisの所見を認めます。
核糖原を認めます。
炎症および風船化肝細胞を一部に認めることよりMatteoni 分類のType 3と考えます。
!!! ①②③でNAFLD Activity Score (NAS)を点数化する
* 日内会誌 105:47~55,2016 NAFLD専門医への紹介のポイント * Seminar Liv. Dis., 21, 3~16(2001) Brunt, EM., et al. : NASH definition and pathology.
! NASは脂肪化が強いだけでNASHになってしまうので、Matteoniを優先する。
! 脂肪化が最も治療で反映されやすいため治療効果判定でNASが使われやすい???
BruntらはNASHの組織学的分類にGradingとStagingを導入しています(表1)。
Gradingは3段階で評価し、(1)脂肪沈着、(2)肝細胞のballooning、(3)小葉内および門脈域内の炎症細胞浸潤の程度を評価項目として総合的に評価しています。
Stagingは4段階で評価し、Stage1は小葉中心性線維化、Stage2はStage1+門脈域の線維化、Stage3はさらにbridging fibrosisが加わり、Stage4は肝硬変としています。
Bruntの分類
活動性(Grading) Steatosis Ballooning Inflammation
Grade1(mild) ~1/3 時々小葉中心性に 軽度
Grade2(moderate)1/3~2/3 小葉中心性に明らかに 中程度
Grade3(severe) 2/3~ 著明 高度
病期(Staging)
Stage1 小葉中心部の線維化
Stage2 stage1+門脈域の線維化
Stage3 bridging fibrosis
Stage4 肝硬変
* 肝臓 48巻12号 604-609 (2007) NASHの非肝硬変例で肝細胞癌を発症した1例 ! NASHにANA陽性やHBs抗原やHBc抗原陽性を合併した場合に発癌率が上がる(非硬変例で発癌する)可能性がある
薬剤性NASH
* 日内会誌 106:1199-1205,2017 アミオダロンによる肝障害、肝硬変を呈した2例 ○ drug-induced cirrhosis
○ Amiodarone-induced cirrhosis ! 死亡率は5ヶ月で60%以上 発症までの平均は21ヶ月
小児NASH
! 小児では門脈域周辺を中心に小葉内の多くの肝細胞が脂肪変性を来す。中心静脈域の線維化は小児にはほとんど認めない。風船様腫大もみられづらい。小葉の炎症や類洞周囲性線維化に乏しい。門脈域の炎症がつよい。
* 肝臓 59巻2号(2018) NAFLD/NASHの疾患概念の変遷 ! SAFスコアーに言及 超肥満成人や小児例について
* Hepatology 2005;42:641-649 小児のNASHについて type2ではバルーニング無し、門脈域の炎症性細胞浸潤ありとして成人例のパターンと異なるとしている nananana.icon 成人のNASHの初期像を示していると考えられる?(Fatty liver→NAFL→NAFLD→NASH)
超肥満成人NASH
! 門脈域から進行しうる
* 第110回日本病理学会総会
ワークショップ4 肝疾患の病理 W4-1 脂肪性肝疾患;NAFLDからMAFLDへ
Ballooning
明瞭な細胞質の淡明化+正常の2倍の大きさなら確定
その他の場合はサイトケラチン18で陰性
NAFLD/NASH診療ガイドライン2020
薬物起因はNASHとしない
線維化の進行が問題で単純性脂肪肝とNASHを鑑別する必要はない(相互に移行するため)
線維化の基準は新犬山分類とはことなる
Stage 3 は線維性架橋形成があればすべて3とする
Hepatology Reviews Volume68, Issue1 July 2018 Pages 349-360
NAS
Kleinear DE hepatology 2005;41:1313-1321
線維化は特殊染色Azanなどが必須で、特染無しで(HEのみで)おこなってはならない
MAFLD???
! NAFLDの病理学的評価については以下の2論文を使うこと (虎の門病院) * 肝臓 57巻9号 502-504 (2016) 連続肝生検診断に基づく前向き試験 病理組織判定は既報に基づき点数化した。
NAFLD actibity score (NAS)
* HEPATOLOGY, Vol. 41, No. 6, 2005 KLEINER ET AL. 1319
Necroinflammatory Grading System for Steatohepatitis
* THE AMERICAN JOURNAL OF GASTROENTEROLOGY Vol. 94, No. 9, 1999
● Nonalcoholic Steatohepatitis: A Proposal for Grading and Staging the Histological Lesions
Mild,grade 1
● Steatosis (predominantly macrovesicular) involving up to 66% of biopsy; may see occasional ballooned zone 3 hepatocytes; scattered rate intra-acinar pmn’s ± intra- acinar lymphocytes; no or mild portal chronic inflammation.
Moderate, grade 2
● Steatosis of any degree; ballooning of hepatocytes (predominantly zone 3) obvious; intra-acinar pmn’s noted, may be associated with zone 3 pericellular fibrosis; portal and intra-acinar chronic inflammation noted, mild to moderate.
Severe,grade 3
◇ Panacinar steatosis; ballooning and disarray obvious, predominantly in zone 3; intra-acinar inflammation noted as scattered pmn’s, pms’s associated with ballooned hepatocytes mild chronic inflammation; portal chronic inflammation mild or moderate, not marked.
* 肝臓 59巻2号 92-101(2018) 少ない介入で作製するMetSynd関連肝疾患モデル動物の有用性 → NASHから肝細胞腺腫、肝癌の発生モデルマウスの紹介。病理像あり。 /nananana-icon/スクラップボックス公式アイコン.icon 病理診断を Excel を使ってやってみる (別スクラップボックス)