脱「AviUtlっぽさ」のすゝめ
https://youtu.be/FgGN3NvvmtE
記事サムネにちょうど良かったので(建前)、ちょっと前にこっそり作ったREELを置いときます
前置き
なぜ「AviUtlっぽい」は「ダサい」のか
「ダサい」に近い(あるいは内包される)感性として「安っぽい」というものがあります
やすっ‐ぽ・い【安っぽい】
1 品物が劣っていていかにも値うちがないように見えるさま。
2 品格がない。下品である。また、問題にする価値がない。
AviUtlは完全無料のソフトウェアですから、いかにもAviUtlで作ったみたい→安っぽい と感じられてしまいます
これが一番明確な他の有料ソフトウェアとの違いでしょう
無論、これは視聴者の知識量によります
AviUtlやAfterEffectsの名前も知らないという人にとっては、どれも等価かもしれない
逆にAfterEffects用のプリセット知識までもが豊富な人には、よく見る表現は総じて「安っぽい」と感じられる
感謝
執筆にあたり以下の記事を参考にさせていただきました
どちらもとても良い指摘がされているので、ぜひあわせてご覧ください
AviUtl特有のテンプレートの代替
縁取り
https://gyazo.com/3cd078127f1f35d46186eb88a42d878a
AviUtlデフォルトの縁取りはどう足掻いても汚いので使わないでください
あるいは汚さがほとんど目立たない程度の細さで使ってください
水平垂直の矩形のオブジェクトに対しては綺麗な角縁取りになりますから、ここでは使ってよいです
綺麗な丸縁取りなので、図形やテキストなど全てにおいて無難な選択肢です
類似のスクリプトになめらか縁取りなどがありますが、これも若干汚さが残ります AviUtlで綺麗な角縁取りを描画できるスクリプトです 精度などの数値を手動調整すれば、結構形を選ばずに使えます
エッジ抽出
https://gyazo.com/ffa087b723671502782b2b121fe3d44d
エッジ抽出もどう足掻いても汚いので使わないでください
縁取りTを合成量:-100で使うと、綺麗で太さ可変のエッジ抽出ができます
モード0-2は1がおすすめです
画像のような縦横に引き伸したオブジェクトにこういったエフェクトをかけるとき、引き伸ばしには拡大率ではなくリサイズを使ってください
拡大率を使うと線の太さが不定になります
Q. 縁取りT重いから使いたくない
A. 面倒ですが、縁取りTをかけてから透過画像に出力すると軽量化できます でなきゃ諦めてください 甘えるな
凸エッジ
https://gyazo.com/500b5ff2897e38cfde0407056b051691
凸エッジもどう足掻いても汚い
縁取りTのモード2で若干暗い色の内側縁取りを追加してから凸エッジをかけると、質感が変わって多少マシに見えます
AviUtlで綺麗なベベルを描画できるスクリプトです
旧版からかなり動作改良され、軽くて使いやすくなりました 色ずれ
https://gyazo.com/7ba0335c8c0bb36e0e15db4074ef5406
デフォルト値の赤緑Aは見づらく、あんまりかっこよくないです
特にこだわりがない場合、赤青Bを使うのが無難です
内側/外側に収差します デフォルト値が赤青Bに設定されています
シャドー
https://gyazo.com/a352d0da6378a7143c0baa435cc137fc
汚い訳ではないですが、デフォルト値はかなり中途半端なのでAviUtlっぽさに起因します
思考停止でデフォルト値を使うのはやめておきましょう 最適な値はその時々です
シャドーの色は盲点になりがちですが、彩度の高い影色は今風な雰囲気づくりに使えます
細かい違いに思えますが結構見え方が変わります
斜体
https://gyazo.com/806666fc9a1cd77e0ff71ca4add116de
デフォルトの斜体は角度や方向を変えることができません
落ち着いた雰囲気の映像などに使うには傾きすぎで安っぽいです
任意の角度、方向に傾けるスクリプトです 手軽に綺麗な斜体ができます
単色化
https://gyazo.com/98b19c92a63c9407858abf2bef47bf19
シンプルなエフェクトですが実は結構癖があります
デフォルトとは処理が異なる単色化です
色調補正で彩度:0.0にして単色を乗算合成するとかっこいい単色化ができます
単色の乗算合成は、グラデーション(合成モード:乗算)を開始色と終了色を同値にして使うとオブジェクト内で完結できます
https://gyazo.com/16bd380c918bd29ff0ddea3967d9077a
https://gyazo.com/7c6febf13950cf3fb3687e96f454afb3
チャンネルミキサー@T_Color_Module() RGBチャンネルをごちゃごちゃできるスクリプトです
RGB原色を抜き出す場合に限り、グラデーション(合成モード:乗算)だけで再現できます
周辺ボケ光量
https://gyazo.com/3e31174aa344bf7c63afc30989d660cd
「AviUtlっぽさが消える」という噂を聞いてみんなが安易に使っている所為でAviUtlっぽいエフェクトに仲間入りしました
色収差はかけすぎると雰囲気を壊すので、控えめに、もう1歩控えめにかけましょう
音声波形
https://scrapbox.io/files/65edcf62fbb85e00254be583.png
デフォルトの音声波形表示はかなり激しい動きになりがちで、雰囲気を壊しやすいです
なめらか音声波形、SpectrumSmoothシリーズの高精度版です
デフォルトの音声波形表示をそのまま滑らかにしたものを表示できます
等ラウドネス曲線をもとに表示を補正したスクリプトです
細かな設定項目も魅力です
ぼけの改善
テキスト
https://gyazo.com/18d39ea0a3d1d7ddf55001a318e9a3a8
AviUtlのデフォルトテキストはぼけています
実は本当に内部処理でブラーがかかっているらしいです どうしてそんなことを
詳細ボタンをクリックすると出るテキスト詳細設定から滑らかにする:offにするとこのブラーが解けます
拡大率:50にしてサイズを倍取りすると更にくっきりします
個別オブジェクトでこれをやるとおかしくなります グループ制御を用いて拡大率を変えると良いです
斜めクリッピング
https://gyazo.com/28276a21f7dc321a49589755b60b3024
斜めクリッピングはデフォルトでぼかし:1になっていますが、0にできます
ごまかし
シャドー(カメラ制御)
https://gyazo.com/2ad7197ebb7ee631a88f5d48d04f688b
汚いですが代替手段がありません
精度:20にして誤魔化しましょう
立体オブジェクトを全体的に大きくすることで無理矢理精度を上げるという荒業もあります
複雑なシェイプ
AviUtlでは面倒でやりたがられなかったことを敢えて取り入れることで、AviUtlっぽくない映像にします
様々なスクリプトの登場で以前は面倒だった表現が手軽にできるようになったので、活用しましょう
角丸図形
https://gyazo.com/73b550b81bd6863e33bec318fd3a626f
縦横それぞれのサイズと角丸サイズを指定できる綺麗な角丸四角形です
名前の通り角丸な正多角形, 星型正多角形を表示できます
任意の図形に縁取りTをかけて角丸にすることもできます
星型
https://gyazo.com/f1e07927b32fff5ab85eaccc8b30b851
角丸正多角形で表示できます
線
https://gyazo.com/222c82726ea3a694d7e5e5bba88daf6b
線はずっとAviUtlの苦手分野と言われてきました
手軽に使える、アンカーポイントで設定するタイプの直線です
こちらもアンカーポイントで設定するタイプで、補間曲線や破線も表示できます
アンカーポイントをなぞるような様々なラインを表示できます
ラスター円
https://scrapbox.io/files/65edcf83d688070024642b03.png
円にラスターをかけただけです
意外と使えます
figureフォルダに図形を追加
https://gyazo.com/fc74e623b5c20cfd46f14c8e5d5aeb27
exedit.aufと同じ階層に「figure」というフォルダを追加し、その中にモノクロのpngファイルを入れると図形として使えます
マスクやハーフトーンでも使えるようになるので、追加してみましょう
デザイン
配色
https://gyazo.com/202717c4e5d16897037a747a85408d7e
原色しかないデフォルトのカラーパレットを安易に使ってしまうと一気にチープになります
原色から多少スクエアを弄っただけでもまだAviUtlっぽいです
https://gyazo.com/03b9cc7da2a3a1d5fe46f37fc57b8a1f
他の色とトーン(輝度や彩度)のバランスを取りながら色を選ぶようにしましょう
白や黒も例外ではないです (255,255,255)は輝度のバランスを壊しかねません
以下の記事もぜひ参照してください
フォント
https://gyazo.com/e4f129d2240080172e9acacbc964e93d
AviUtl使用者は派手なフリーフォントを探してはいっぱい使いたがる傾向があります
左にあるようなフォントを選んじゃダメという訳ではないですが、かなり場所を選ぶので注意しましょう 右にあるフォントは僕が好きなだけです
1つの映像(場面)内で使うフォントは多くても3つくらいまでに絞ったほうが統一感が出ます
無難なフォントでも使い方次第で様々な表現が可能です
https://gyazo.com/afc76135ec1b291650010887c9e57938
情熱
https://www.youtube.com/watch?v=B55SjEm4spw
つまりはAviUtlっぽさなんて気にされないくらい頑張ればいいということ
今回取り上げなかったものについて
モーションブラー
重いこと以外は、個人的にはそんなに気にするほど変でもないと思っています
震える
デフォルト値で使うのはAviUtlっぽいとか以前の問題だと思います
発光, グロー系
僕自身がデフォルトの発光とグローしか使わないんですよね
レンズフレア
カスタムフレアで例を作るのがめんどくさかった
ダサいと思う人は使わないでください
雲, 星, 雪, 雨, 水面
そもそも用途がかなり限られるので取り上げませんでした