文法:接辞関係:複合格☆
格の一部は、複数個の格が組合わさることにより新たな格を作る。文語においては生産的であり、頻用されるもの以外にも即席で作ることが出来るが、口語ではtsadに結びつく特定の物以外は全て廃用となっている。
複合格は、形式的複合格と意味的複合格に分類することが出来る。
①形式的複合格
副文に現れる複合格。主文と副文の目的語の一致や、副文中の名詞などに現れる、-icixや-bixe'などが例である。これらは複合前の格とほとんど意味が変わらないため、「形式的」と呼称される。
②意味的複合格
副詞的用法の意味を広げる為に拡張された複合格であり、これに加えて準格-uguも複合される。-opeseloal, -atyugwatigなどが例として挙げられる。これらは新しい格として振る舞うため、「意味的」と称される。
参照:文法:文法範疇:格☆
table:複合格意味一覧
和名 参照記号標目 接辞 意味
前格 X1312格 -azel ~の前に
後格 X1412格 -esel ~の後ろに
央格 X1512格 -yal ~の中央に
行途(こうと)格 X0907格 -axuko ~への途中で
戻途(れいと)格 X0908格 -axund ~からの途中で
前時格 X131216格 -azeloal (時間的に)~の前に
後時格 X141216格 -eseloal (時間的に)~の後に
最中格 X151216格 -yaloal (時間的に)~の最中に
期限格 X10131216格 -opazeloal (時間的に)~するまでは (英語のuntil)
以降格 X10141216格 -opeseloal (時間的に)~したあとは
受領格 X20SS21格 -atyugwatig ~を得るべく~を失わしめて
授与格 X21SS20格 -atigwati ~を得させるべく~を失って
目的格 X0722格 -akoca ~のために (目的)
題目格 X0618格 -uъeпix 〜について
近似格 X2520格 -ahiwir 〜がするのと似た状態にすべく
table:複合格複合元一覧
参照記号 接辞 複合元 (格名) 複合元 (接辞)
X1312格 -azel 上格(13) + 外格(12) -az-el
X1412格 -esel 下格(14) + 外格(12) -es-el
X1512格 -yal 側格(15) + 外格(12) -ya-el
X0907格 -axuko 通格(9) + 向格(7) -axu-ako
X0908格 -axund 通格(9) + 奪格(8) -axu-end
X131216格 -azeloal 上格(13) + 外格(12) + 時格(16) -az-el-oal
X141216格 -eseloal 下格(14) + 外格(12) + 時格(16) -es-el-oal
X151216格 -yaloal 側格(15) + 外格(12) + 時格(16) -ya-el-oal
X10131216格 -opazeloal 接格(10) + 上格(13) + 外格(12) + 時格(16) -op-az-el-oal
X10141216格 -opeseloal 接格(10) + 下格(14) + 外格(12) + 時格(16) -op-es-el-oal
X20SS21格 -atyugwatig 生格(20)-再帰¹ + 殺格(21) -atyugu-atig
X21SS20格 -atigwati 殺格(21)-再帰¹ + 生格(20) -atiggu-ati
X2203格 -akoca 向格(7) + 因格(22) -ako-eca
X0618格 -uъeпix 於格(6) + 付格(18) -uъe-uпix
X2520格 -ahiwir 様態格(25){類}² + 変格(20) -ahi-wir
脚注
1:文法:接辞関係:変格・生格・殺格の再帰用法 も参照
2:類格的用法