変動係数
変動係数とは
分布の中心の位置が著しく異なる場合には、分散(標準偏差)で分布の散らばり具合を比較することはできません。 たとえば、ある企業の従業者の年収を考えたとき、管理職の年収の標準偏差が450万円、平均値が2千万円、アルバイトの年収の標準偏差が30万円、平均値が100万円であったとします。このとき、管理職とアルバイトではどちらのばらつきが大きいと考えるのでしょう。標準偏差をみると、管理職のほうがはるかに大きく、15倍ですが、平均値も20倍です。このようなときは、標準偏差を平均値で割った指標を用いることがあります。この指標を変動係数(C. V.)といいます。
この例では、管理職の変動係数は、450 ÷ 2000 = 0.225(22.5%)、アルバイトの変動係数は、30 ÷ 100 = 0.3(30%)となり、ばらつきの程度はアルバイトのほうが大きいことが分かります。
table:CV
職業 平均値 標準偏差 変動係数
管理職 2000万円 450万円 0.225
アルバイト 100万円 30万円 0.300
一見すると管理職のほうが散らばりが大きい(標準偏差を見ると)
平均値(分布の中心)が著しく異なるので標準偏差で比較はできない
単位の異なるデータのばらつきや、平均値に対するデータとばらつきの関係を相対的に評価する際に用いる単位を持たない(=無次元の)数値です。
各種データの散らばりを相対的に評価するときに用いられる
参考サイト
サイト名 : データサイエンス・スクール
タイトル名 : 中級編
ページ : 9, 10
サイト名 : 統計WEB
タイトル名 : 6-4. 変動係数
参照日 : 2019/11/6