型付けをサボるようなことはしないが、その味付け具合をチームでちゃんと共有できるとはおもえない
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TypeScript(他の多くの静的型付けの言語も)は簡単ですが、難しいです。
つまりただコンパイルが通るだけのコードを書き、動くプログラムを書くこと自体にはある意味でそれほどの苦労はありません。型宣言のほとんどを最大限にゆるくすれば良いからです。昔話ですが、筆者は昔C#でコードを書く系のプロジェクトに参加したときにほぼ全ての関数の引数と返り値がObjectで宣言されているものにぶつかったことがあります。
しかしコンパイラの方チェックに最大限の仕事をさせようとすると急に難易度が跳ね上がります。特にJavaScriptが(いまはまだ)あくまで世界の主人であり、従にすぎないTypeScriptには常にanyの引力が存在しています。忍耐力と、それなりの学習コストを投入しないと恩恵を受けるのは難しいでしょう。
一時期HaxeというAltJSに傾倒していたときに感じた、JavaScript製の成果物に型をつけていく徒労感はTypeScriptコミュニティが作ったエコシステムの進歩によってかなり減じましたが、完全には解決していません。
そしてどこの会社も時間がありませんし、現在のWeb製作進行の基本は高速なプロトタイピングとイテレーションだとおもいます。そうでなくとも、例えばそもそも一刻も早く世に出してプロダクトの価値を問いたいスタートアップや、進捗を上司や取引先にせっつかれる中でロジックの実装よりも型合わせクイズに集中できる人がどれだけいるのでしょうか。