アイルランドの家庭と女性の憲法改正否決報道がなんか変
というか詳細を知りたくなり軽く調べたのでメモ
https://gyazo.com/73e7698a0dd15756dbd637a60312d1c9
2024/3/10のこの報道ref.
日本では、Yahoo!ニュース、産経新聞、東京新聞が同じこの報道
「女性は家庭」憲法維持 アイルランド国民投票
アイルランドで9日、女性の「家庭での義務」を重視した憲法条項の修正を問う国民投票の開票結果が発表され、賛成26.1%、反対73.9%で否決された。時代遅れで女性蔑視だと批判された条項が憲法に残ることになる。修正を呼びかけたバラッカー首相は結果を「全面的に尊重する」と述べた。
1937年のアイルランド独立時に制定された憲法は「女性の家庭内での生活が国家を支え、公共利益の実現に欠かせない」「国は家庭での義務を果たすべき母親が経済的必要性によって就労を迫られることのないよう努める」と定めている。
政府提示の修正案は「家族構成員が助け合い、国がその支援に努める」となっていた。このため、家族に障害者がいる有権者を中心に、介護に国の積極関与の姿勢がなく障害者差別だとの批判が上がっており、否決につながったとみられる。
婚姻関係を前提とした家族の再定義も問われたが、賛成32.3%、反対67.7%で、この修正も否決された。
アイルランドといえば議会制民主主義の起源の一つ
イングランドとアイルランドの代表者が話し合ったのだとか src
世界で初めて市民議会の発意で憲法が変わった国
2015年のこと
2018年には、妊娠中絶禁止が明記された憲法の条項が、国民投票の結果、撤廃されましたsrc
市民議会は、(...)2017年に、現行憲法の改定を勧告する最終報告書をアイルランド議会に提出し、のちの国民投票につなげています。政治家が政策を決めるのではなく、ランダムで選ばれた市民が熟議によってボトムアップに政策を変えていく事例として紹介しました。 src
議会と市民が協働する方法などについてのインタビューにMagali Plovie氏が答えている記事
Deliberative Committees: When parliament and citizens work together | by Ieva Cesnulaityte | Participo | Medium
今回の国民投票、どうも調べると、
2つの憲法条項を修正しようとしていたようです src
1. 家族修正条項
https://gyazo.com/d60517340649e8702318137b49f87353
https://gyazo.com/493dd1f4ce46bf4a8d72e7a885d00ea0
2. ケア修正条項
https://gyazo.com/c00b9b4425be6fff852be111b34ee844
https://gyazo.com/3665328ac9e64f99839af2965f2f58fe
ref. What are you being asked to decide on? - Electoral CommissionをGoogle翻訳
時代に合っていない憲法の修正は、至極真っ当に見えるのだけど、否決されたのが不思議です
否決の理由は、修正案の条文が悪かった?
家族に障害者がいる有権者を中心に、介護に国の積極関与の姿勢がなく障害者差別だとの批判
どういう経緯で修正文案ができたのだろう?terang.icon
前回の憲法改正国民投票のときのような無作為抽出の市民会議の参加プロセスはどうあったのだろう?
あとで現地視察報告会のイベントアイルランドの家庭と女性の憲法改正否決報道がなんか変#6618f3820f1ffd00001f355aでプロセスを聞いてだいぶスッキリしましたterang.icon
ファシリテーター仲間の徳田さんがなんと現地にいた!terang.icon*3
現地レポートをFacebookに書いてはったので読む
特に、アイルランドレポート day 1https://www.facebook.com/thirdvalue/posts/pfbid0nzU71yLiC94sZdQV2nYCr8mAMSfUAEqhzxFND2wU9yq6Pbj8ib8U7PSegM3JmBRtl、day 2https://www.facebook.com/thirdvalue/posts/pfbid0jj6dEYdWQEqwNJr4ecBeMJMFaFWQ8cb7inpA1jkErwJmMDpV2BuXfKEJSt9F4zjUl、day 3https://www.facebook.com/thirdvalue/posts/pfbid08ZAMpuwFPA8Pby7Tbggh8iBWEEhQZvAA5HufZJ7YUobE4DkRmw9z5EZPDqgERG32l、day 6https://www.facebook.com/thirdvalue/posts/pfbid0PZ8Tp8WpwHvvaCYFwLfW6jTmMWp2vPRdDeLD5BorrUegEyGtxXuC9TvGCdqhHdCel、day 7https://www.facebook.com/thirdvalue/posts/pfbid0o8LAaZgV2xJUqPe2br9HBNeKy7sPMiumH215CDsyG9RPARCFpZxNVLhvxUQMFSh2l
ザッとまとめると
新条文での家族の定義が曖昧
審議のプロセスが雑
(正当性のある内容なんだと仮にしても)正統性への疑義ということかterang.icon
国際女性デーに実施するのがあざとい
今回の国民投票自体に反発
前回まではむしろ肯定的だった
日本で保守的どうのこうのな的外れな報道されそう
→ 実際そうでterang.icon混乱
てな感じだったらしいです。
山下直子氏のブログも興味深い
2000年からアイルランド在住の、アイルランド公認ナショナル・ツアーガイドのかた
リラックスした和やかなデモ行進に参加されていたりhttp://naokoguide.com/blog-entry-4558.html、街の様子をレポートしてくださっていたりhttp://naokoguide.com/blog-entry-4559.html、今回の否決の件を総括されていたりhttp://naokoguide.com/blog-entry-4565.html。
彼らの態度は、何を今さら、家族の定義も女性の役割が家庭に限定されないことも言われなくても分かっているし、すでに実行してるよ、こんな儀礼的な憲法の書き換えには意味がないじゃないか!と、国民投票自体に賛同していないというものでした。
そして、現状の憲法が日々の暮らしの妨げになっていない限り、あえて変える必要はないと思っているようでした。
その後、徳田さんの現地視察報告会案内に参加したら、この件はだいぶ整理されましたterang.icon