フィッシュキンの2つのトリレンマ
Fishkin's Trilemmaには2種類ある、という話。
1つは、
教育問題の通称として。以下が同時に成立しないこと。
1. メリット(実力主義)
2. 機会均等(出生に拘束されないこと)
3. 家庭の自律性(親は自由に子育てができる)
Justice, Equal Opportunity and the Family(1984)
日本では、苅谷剛彦が『大衆教育社会のゆくえ』(1995)で紹介した。
もう1つは、
民主的な手順(選挙、世論調査、集会など)において、以下が同時に成立しないこと。
1. 政治的な平等
2. 大規模な参加
3. deliberation
Democracy and Deliberation(1991)
共通の問いは、「理想的なリベラルデモクラシーをどのように実現するか」と思われる。
1つ目の方は、市民が形成される過程における背景の正義
2つ目の方は、すでに形成された市民が、いかにして自己統治を賢明に行うかという手続きの正義