公立のICT導入問題点まとめ2019
1. 欲しい物が買えない問題
ビジョンがあって欲しい製品やサービスがあっても買えない。
基本的に一般競争入札
問題にならないレベルで、一番安いものが導入される制度
一見良さそうな仕組みだけど…?
最近発覚した事実。実は仕様を満たしてなくても大丈夫!w
教委は落札後に仕様を満たしているのか積極的に追及できない
仕様を満たしてないことを証明しないといけない。できなくても、できます!って強弁される。
入札がうまく行かなかったことが自分の失点になるのでわざわざ自分から動かない
落札した業者への心象は悪くなるだろうけど、次の入札時(5年後)には担当は異動しているので実質影響なし。
道路工事とかコモディティ化しているもの向けの仕組みで、製品による差が激しいITとは合わない。
商慣習
入札に札入れする導入業者へメーカーが価格差をつけることが慣例化している。メーカーがどの業者が落札するかコントロールできる。利権化。
導入業者は、大きな価格差をつけてくれるメーカーの製品を仕様に入れようと教委へ積極営業
定価の安い製品は、導入業者の売上が落ちるので選んでもらえない。定価は高く、価格差大きくが利益的にはベスト。
業者は営利企業なので「売上>>>>>>>>>>>>よりよい教育」。悪気があってやってるわけではない。
すでに何十年も前から慣例化している。前例踏襲しているともれなくこの仕組み。
(余談)この商慣習、コンプライアンス的にだいぶ黒いので、弊社は卸値に価格差をつけないポリシーです。
解決策
製品指定してもらう
各方面(上司、議会、総務…)を説得できれば可能。Windows10とかofficeとかは普通に製品指定されてる。
そのためのエビデンスを作る
いいモデル校
活用
悪いモデル校
死蔵
2. 何が欲しいのかわからない問題
アンテナが低い
情報源がInternet前。営業に来た地場ベンダー、FAX、TV。
SNSは危険だからやったことない。
担当でもIT詳しくない
え、主体的な学び??
20年前の知識のままの人も。
よりよい教育にしたい < 組織内での自分の立場・保身・マウンティング
結果:「前例踏襲しか選択肢がない」
解決策
選択する教委側のレベルアップが必要
導入業者にいいようにされない。慈善団体ではなく、営利企業であることをお忘れなく。
ビジョンを持つ
ビジョンって言われると難しく感じるけど、自分が未来をどう見ているか、とうこと。簡単。
主体的な学びをまずは、指導主事、教師から。子どもたちに見本を見せよう。
挑戦できる組織に
言える化。上下関係や経験など関係なく発言し建設的な議論することが評価される。
上下関係で意思決定されない
人に従うことより、自分の考えをもって行動する。
なぜこの仕事をやっているのか、どこに向かってるのか。
ルールが少ない。罰則よりも軌道修正。
学校の文化とはかなり異なるが、取り入れられるところもあるはず。
3. 使われず死蔵されてしまう問題
導入しても結局使われずに死蔵されてしまう。
機能的な問題も大きい
年に数回利用するPC教室を元にした仕様で、毎日使う前提にはなってない。
起動に時間かかりすぎる
処理が遅い
40台中数台は、いつも謎の不具合で授業が止まる。
再起動したらデータが初期化
「確実性のないものは授業が遅れるので使いたくない。紙の方がまし。」
公立学校のPCは、年に何回しかない授業に特化されたアプライアンス装置(特定用途に特化した専用機器)。汎用コンピューターとはとても言えない。
答えの決まった調べ学習
特定単元のための教材の実行
強烈なWebフィルタリング
これは「問題発生→クレーム→改善」を繰り返し、部分最適化された結果
現場の要望にそのまま答えているだけなので、悪意があるわけではない。お客様の声に従っただけ。
ある意味では成功している==ガラパゴス化。
そして過去には成功してきたので、イノベーションのジレンマに陥って変えられない。
やる気のある先生がネットにある無料のプログラミング教材を選んで使うなんてホント無理。
こんなアプライアンスに税金いくら使ってるの?
解決策
安定した機材を選ぶ
ネットワーク含めて、安定した機材があれば先生たちは使う
ロイロノートの平均DAU(1日当たり使ったユーザー数。公立の40台導入校を比較)
WiFi + Windows = 平均 8人 / 日
1週間に1回どこかのクラスが利用。
WiFi + iPad = 平均 48人 / 日
1日に1回どこかのクラスが利用。
LTE + iPad = 平均 116人 / 日
ほぼ毎時間どこかのクラスで利用。
LTE+iPadでうまくいってる自治体
熊本市、秦野市など
5Gも来年開始
MSの責任も大きい。一応やってはいるけど、もっとできるんじゃないの?
いままでサードパーティーが何でもできすぎた
でもそれを使ったカスタマイズを前提の導入になっていてるから、禁止できないジレンマ
LTSC/復元ソフト/ログイン画面乗っ取り/独自ユーザー管理/妙なAD連携
Windowsでモダンな学校向けの安定した環境の作り方はよくわからない。Office365のアカウント(Azure AD)でログイン?Windows Serverいる?
不安定なハードウェア・ソフトウェアが多い。40台中数台はいつも調子悪く授業を止める。でも再起動したら治ったり。相変わらずの意味不明さ。
ChromebookやiPadが人気になっている一因と思う。
でも、薄利になるので導入業者は積極的に提案しない
Chromebookはハード不安定だけど、代替え機が用意しやすい。安いし、データはクラウドに保存されているのでログインするだけで自分の環境に戻る。
iPadは、一般人向けデバイスなのでPCに比べて圧倒的に動作が安定している。40台あると授業中に不具合が起きる可能性は40倍になるので安定性大事。
現場の先生が授業に合わせて設定できる裁量。
Webフィルタリングは、先生判断で調整できていいのでは。