斉明天皇
from 愚管抄
斉明天皇 
七年 元年乙卯。
皇極再び位に即給ひ、大和国岡本宮におわします。先づ飛鳥川原宮遷幸。
此女帝始には用明のむまご高向の王に具して一子を生み給ひ、後に又舒明の后として御子三人おわします。
此御時の末に人多死けり。豊浦の大臣の霊のすると云へり。其霊竜に乗り空を飛びて人に見けり。此天皇葬の夜は大笠をきて、世間を見ありきけり。
左大臣大紫巨勢徳大臣。四年正月薨。
内大臣大錦中臣鎌子連。