大学
#大学 #中国 #素読 #漢文 #四書五経
礼記講読2023 42.大学 https://zh.wikisource.org/wiki/禮記/大學
新釈漢文大系 明治書院 赤塚忠
礼記国字解下 桂五十郎(章節は荻生徂徠の『大学解』による。)
*朱子は通用音で「だいがく」。小学に対する大学であり、泰(タイ)(=太。つまり【至極】の意と区別する。
(録音では「孔穎達」と言っている箇所があるが、正しくは「朱子」)
*今は、礼記の原本テキストを読む。
*大学の上下左右のくだり…宮沢賢治の雨ニモ負ケズのクライマックスのあたりとかぶる
*最初の方の八條目とか、順逆に同様の内容を繰り返す辺りは、十二因縁の順観逆観ぽい
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大学訓読
大学解説
礼記講読132☆大学解説1
https://youtu.be/o3HnYU8a_98
礼記講読133☆大学解説2
https://youtu.be/bhQV_GwbZgQ
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礼記講読122☆大学1(~則近道矣)
https://youtu.be/-IJ4zjtymY4
#1
*大学の道:平天下に窮まる学問の完成を「大学」と名付けた。
【三綱領】
*最大最要は「止於至善」
明明徳…己を完うするもの(第一の手段)
親民…人を安んずる(第二の手段)
止於至善…人たる最終の目的
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礼記講読123☆大学2~3(古之欲明~必誠其意)
https://youtu.be/DB6P9cp2LR8
#2
*誠:自分でいささかの疑いを残すことがないように明白にすること
*誠は中庸の根本思想。中庸は誠一元論。
※「誠は天の道なり」「誠は物の終始なり、誠ならざれば物なし」→誠は世界・事物の成立する原理
「誠なるによりて明らかなる、これえを性と謂う」→誠は人間本性の本質
大学は「意」の心理状態を主として誠を言っている
*脩身爲本:修身は儒家において政教の根本
*否:(=不然)。あらず
*大学の主問題は明智(明徳・止至善・致知格物)
*格物致知:格①来たす(鄭玄)②いたる(朱子)③ただす(王陽明)④ただす(赤塚)⑤=扞。ふせぐ。(桂)
③④はおなじではない。
③格物を良知の必然的作用としている
④「知」を成立させる要件。人間の知覚を重視して、それに先立って経験される「物」を必須としている。物を正してこそ、確実な認識にも達し(致知)、唯一の正当な処理をなす(誠意正心)こともできる
⑤物=邪悪の外物。扞物とは、知力を極むるを妨害する邪悪の外物を防ぎて害をなさしむること。
#3
*曾子の言葉は孔穎達によれば「十目所視,十手所指,其嚴乎!」
今は唐代の節により「~富潤屋,德潤身,心廣體胖」まで
【内野解題】
*朱子の定本(四書)…論語と孟子は集注。大学と中庸は章句(原本に錯簡ありとして、章を改め句を換え、自分の意見で勝手に解をなした為)
※書経も四書という(虞書・夏書・商書・周書)
*四書=四子(孔子・孟子・曾子・子思)
*大学の名称
①鄭玄…博学だから
②劉炫(ゲン)…博大聖人の学だから
③司馬光…章を離し疑を解き結を釈くは学の小なるものなり。心を正し、身を修め、家を斉え、国を治め以て盛徳天下に著名なるに至るは、これ学の大なるもの
☆内容から言えば、治国・平天下を説く博大の学であり、また大学(学宮)の教科書なるがゆえに
*内容
経文1章…三綱領・八條目
伝文10章…これを更に敷衍
☆三綱領(明明徳・新民・止至善)
☆八條目(格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下)
格物・致知・誠意・正心・修身…明明徳(修己)
斉家・治国・平天下…新民(治人)
*大学の上下左右のくだり…宮沢賢治の雨ニモ負ケズのクライマックスのあたりとかぶる
*最初の方の八條目とか、順逆に同様の内容を繰り返す辺りは、十二因縁の順観逆観ぽい
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礼記講読124☆大学4(詩云瞻彼淇澳~此謂知本)
https://youtu.be/kliS4ihsQLI
附淇奧・烈文・文王・烈文・玄鳥・緜蠻・康誥・太甲・尭典
久しぶりに書経読んだ。途中操作を誤って録画できてないとこあるかも。
(訂正版作る気力なし・・・)
ツイキャスには録画できてると思う。
#4
*衛風淇奧
瞻彼淇澳,菉竹猗猗。有斐君子,如切如磋,如琢如磨。瑟兮僩兮,赫兮喧兮。有斐君子,終不可諠兮!
*周頌烈文
於戲前王不忘
*康誥
克明德
作新民
*太甲
顧諟天之明命
*帝典(尭典)
克明峻德
*苟日新
苟=敬(つつしむ)。仮定の「苟も(いやしくも)」ではない。
*大雅文王
周雖舊邦,其命惟新。
*無所不用其極
極:至極。上文の盛徳至善をさす
*商頌玄鳥
邦畿千里,惟民所止。
*小雅緜蠻
緡蠻黃鳥,止于丘隅。
*大雅文王
穆穆文王,於緝熙敬止!
*人の止まる所は至善なり
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礼記講読125☆大学5~7(所謂脩身在正~此謂治國在齊其家)
https://youtu.be/1DUQULIzDvA
附桃夭・蓼蕭・鳲鳩
#5
*誠意のつとめは至善を知ること。正心のつとめは、それを固定して動かさないこと。
*埒:らち。かこい
*『大学』の「正心」とは、「格物致知(物をただして知を致す)」の正善の認識から始まり、「自謙」によって自己に自然な情意となったものが、今や不動の強固な意志に統一されることをいう。
#7
*非諸人:諸(これ)を人に非(=誹:とが)む
*周南桃夭
桃之夭夭,其葉蓁蓁;之子于歸,宜其家人。
*小雅蓼蕭
宜兄宜弟。
*曹風鳲鳩
其儀不忒,正是四國。
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礼記講読126☆大学8(1)(所謂平天下~天下戮矣)
https://youtu.be/dguZcIemBeE
附南山有台・節南山
途中まですごく眠かった。
#8
*毋以交於左:以て左に交(わた)す毋(な)かれ。※交:わたす。さしかわす
*絜矩之道:
桂→己が心を矩として人の心を度ること。
赤塚→一定の法度に照らして行動する方法
絜:度る。
矩:まがりがね。さしがね。→法度
*小雅南山有台
樂只君子,民之父母。
*小雅節南山
節彼南山,維石巖巖。赫赫師尹,民具爾瞻。
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礼記講読127☆大学8(2)(殷之未喪師~驕泰以失之)
https://youtu.be/KGw9WHUG78s
眠気マックスで赤塚の楚書注まで。次は泰誓注から(p.97真ん中くらい)
附文王
#8
*大雅 文王
殷之未喪師,克配上帝。儀監于殷,峻命不易
*康誥
惟命不于常
*楚書(楚語下)
楚國無以爲寶,惟善以爲寶
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礼記講読128☆大学8(3)(康誥曰惟命~)【大学了】
https://youtu.be/pXqksJgcjW4
附秦誓
赤塚楚書注から(重複)
*楚書(国語楚語下)
楚國無以爲寶,惟善以爲寶。
*舅犯曰
亡人無以爲寶,仁親以爲寶。
善=徳
仁親も、原文では親を愛する意味だが、こおでは親仁=仁道を親愛すること。
*秦誓
若有一介臣,斷斷兮無他技,其心休休焉,其如有容焉。人之有技,若己有之;人之彥聖,其心好之,不啻若自其口出。實能容之,以能保我子孫黎民,尚亦有利哉!人之有技,媢嫉以惡之;人之彥聖,而違之俾不通。實不能容,以不能保我子孫黎民,亦曰殆哉!
*斷斷兮:きわめて誠実篤篤厚なさま
断=専。自分の為すべきことに専一にしているさま
*斷斷兮:他人に寛大であるさま
*一个の臣の容るるあるさま→人之有技,若己有之;人之彥聖,其心好之,不啻若自其口出。實能容之,以能保我子孫
*好人之所惡,惡人之所好:人の悪む所を好み、人の好む所を悪む⇔絜矩之道
*是故君子有大道,
大道とは?徳?
絜矩之道
君子は先ず徳を慎む。徳有れば此れ人有り。(是故君子先慎乎德。有德此有人)
恕(是故君子有諸己而後求諸人:この故に君子はこれを己に求めて後に人に求める)
德者本也,財者末也
必忠信以得之,驕泰以失之の内容にあたるもの
*徳と財の対応
君子に大道有り→財を生(な)すに大道あり
徳有れば此れ人有り。土有れば此れ財有り。
徳は本なり。財は末なり。
*必自小人矣:必ず小人を自(もち)う
*生之者眾,食之者寡
単なる勧農節用ではなく、そうするために、その根本には君子の大道がある。君子の徳化を及ぼすことによる(強制に因るのではない)
*大学は絜矩之道による財政策。儒家の徳治主義の徹底。徳化による勧農節用。
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大学章句序
礼記講読130☆大学章句序(参考)
https://youtu.be/bhQV_GwbZg