※9_7.紀伊国伊都郡高野の峯に於いて入定の処を請け乞はせらるる表(ノート)
※9_7.紀伊国伊都郡高野の峯に於いて入定の処を請け乞はせらるる表(ノート)
・耆闍の峻嶺には能仁の迹休(や)まず、孤岸の奇峰には観世の蹤相続く。
・但恨むらくは高山深嶺に四禅の客乏しく、幽藪窮巌に入定の賓希なり。是れ禅教未だ伝はらず、住処相応せざるが致す所なり。今禅経の説に准ずるに、深山の平地尤も修禅に宜し。
・上は国家の奉為に、下は諸の修行者の為に、荒藪を芟(か)り夷(たいら)げて、聊か修禅の一院を建立せんと。
・望み請ふらくは、彼の空地を賜ふことを蒙って早く小願を遂げん。