ウォーキングは大人の嗜み、かもしれない
1年半前に人間ドックを受けたとき、ここ数年ではもっとも痩せていて、体調も良かった。ところが、先月受けた人間ドックでは、検査項目には問題ないものの、体重が数キロ増。ウエストも数cm増。それでもジーンズは30から31インチなので標準的だと思うのだが、何せ筋肉がないので、腹が目立って見える。そこで、人間ドックの翌日から、日常的に何かしらの運動をすることにした▼主な運動時間は仕事の昼休み。トレーニングルーム完備、1周700mの広大な敷地。運動するにはもってこいの環境。そこでしっかり汗をかくほどの運動をするにはそれなりのウェアに着替える必要があるが、仕事のペースによってはその時間がもったいなく感じられる日もある。そんなときは、決まって最寄りのコンビニ付近まで歩くことにしている。"最寄り"と言っても徒歩で片道15分かかる。立派なウォーキングだ▼歩きながら、気が向いたら小走りしたりして、思ったより早くコンビニに着いたので、少し先まで足を伸ばしてみる。最近オープンしたというテナントビルをちょっとだけ覗く。使われなくなった建物を改装したというそのテナントビルは、都会ならあちこちで見られそうなコワーキングスペースといった風情だが、このビルより高い建物が周りにないという立地も含めると、十分すぎるほどおしゃれな空間だった。まだ利用者も少なくがらんとしていたが、感度の高い利用者で賑わう日もそう遠くないだろう▼職場に戻るべく針路を反転し、歩き出す。途中、セブンイレブンに寄ってセブンプレミアムの低脂肪牛乳を買う。比較的安価な割に「乳飲料」ではなく「低脂肪牛乳」という分類。栄養価そのままで脂肪分だけカットしました、という謳い文句。すっかり気に入って、最近は職場の冷蔵庫に常備して、カフェオレを作るのに使っている▼「低脂肪牛乳でカフェオレ」なんて、さぞ意識が高いように思われるかもしれないが、肝心のコーヒーは「牛乳にも溶ける」でお馴染みのあのインスタントコーヒーだ。誰がなんと言おうと、シアトル生まれのアレもおいしいけど、アミノ酸屋さんのアレもおいしいのだ▼ビニールの買い物袋を断り、オレンジ色のシールを貼ってもらって店を出る。左手で低脂肪牛乳を鷲掴みにして歩きながら「そういえば、PENTAX KPにsmc PENTAX-DA 55-300mmF4-5.8EDを付けるとこのぐらいの重さだな」と思い出し、その低脂肪牛乳を横倒しにしてカメラを構えるように持ってみる。ちょうどいい撮影用の筋トレになりそうだと思ったが、はたから見たらかなり変な画なので自重した▼まもなく職場に着こうかという横断歩道の信号待ちで、地味ではあるが清潔感のある衣服を纏った初老の女性と一緒になった。信号が青になり、渡り終えるとその女性が「歩くとの速かですね、ちょっと信号待ちしとったらあっという間に」と云う。まさかそんなことで褒められるとは思っていなかったので、「んー、そうですかね」などと他愛のない返事をすると、慣れた様子で押していた自転車に乗り、スルスルと走って行ってしまった▼その自転車の泥除けに、少し離れた高校の通学許可ステッカーが貼られていた。晴れていたのに、平日の日中にそこにあるということは、本来の持ち主はその高校を卒業し、使われなくなってしまった自転車なのだろう。おそらく孫にあたる持ち主と、その女性のとの関係を想像して、不思議ととても爽やかな気持ちになった▼およそ40分の近場ウォーキング。ありふれたできごとばかりのように見えて、ひとつひとつが特別なことに感じられる。自分も少しだけ大人になったのかもしれないな、などと思いながら、午後の作業に取り掛かった。
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