自分より優れた者は「損失」、劣った者は「報酬」
近年の脳科学では、「(自分より下位の者と比べる)下方比較」では報酬を感じる脳の部位が、「(上位の者と比べる)上方比較」では損失を感じる脳の部位が活性化することがわかった。脳にとっては、「劣った者」報酬で、「優れた者」は損失なのだ。
徹底的に社会的な動物であるヒトは、自分が批判されることを過度に警戒すると同時に、集団からの逸脱行為をつねに監視し、自分より上位の者がそれを行うと、「正義」の名の下に寄ってたかって叩きのめす。それと同時に、劣った者に対しては、自分の優位を誇示する(マウントする)ように進化したのだろう。
自分に対して下方比較をさせてあげることで周りの人を満足させる
アルジャーノンに花束をでは、下方比較をされていた主人公が急に賢くなったことで上方比較の対象となり、嫌われてしまった キレキレ度が高いと、周りから上方比較の対象として認識され、ちょっとしたミスから正義の名の下に断罪されやすくなる
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だったらどうすればいいのか。幸いなことに、「最終的公正信念」戦略は、ポジティブな効果の方が大きいとされている。「長い人生には良いことも悪いこともある」という「人生万事塞翁が馬」のことだ。 ぎすぎすした世の中に煩わされず、他者に「不道徳」のレッテルを貼って安易に批判せず、イヤなことがあっても「そのうちいいこともあるさ」と楽天的に考える。すくなくとも研究では、これであなたの幸福度はずいぶん高くなるらしい。
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