最下位への嫌悪
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忌むべき者の監視者
論文: "Last-place Aversion": Evidence and Redistributive Implications | NBER
低所得者が再分配に反対することが多いのはなぜですか?「最後の場所」にいることへの嫌悪感は再分配の支持を弱め、低所得者は自分の少し下にいる人を罰して誰かを「下」に保つと仮定します。
われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション) p138より引用(上記の論文について言及している箇所)
彼女たちの研究チームは、最低賃金を引き上げることへのもっとも大きな抵抗が、それよりわずかに多くの給料をもらっている層から起きていることを突き止めた。最低賃金が上がれば、最低賃金のひとつ上の層の人々にも将来的に恩恵が及ぶ可能性がきわめて高い。にもかかわらず多くの人は、より高い最低賃金によってもたらされる将来的な利点よりも自分たちの相対的な地位についての目の前の懸念のほうが重要だと感じた。
気持ちは分かる。
自分が金持ちと感じるどうかは、周りの人たちで決まるし、自分が貧乏人かどうかも周りの人たちで決まる
自分より貧乏だと思っていた人の賃金が上がると、今度は自分が貧乏人になってしまう という感情が起きる
競争心と嫉妬心とは、大抵は同じ學藝同じ技術同じ身分の人同士の間にのみ生ずる
自分と近い所得ゾーンにいる人たちの所得上昇に嫉妬しがち
みんなが金持ちだったら、ボートを漕ぐ人がいなくなる
足の引っ張り合いのメカニズム
自分の心に嫉妬や競争心が生まれた時、「これは最下位への嫌悪反応だな」と理解できれば、相対価値にとらわれずに絶対価値を取り戻せるチャンス
他人の自慢や地位的消費を受け取って、自分の相対的価値を下げないこと
相対価値の争いは、終わりの無い軍拡競争への道