エンロンショック
アメリカのエンロン社の不正発覚事件のこと。1985年にエネルギー会社として発足したエンロン社は、エネルギー業界の規制緩和の中、ブロードバンドビジネスや天候デリバティブ取引も手がける多角的大企業に急成長した。しかし、2001年10月、同社の簿外債務の隠蔽を始めとする不正が明るみにでて、エンロンの株価は暴落した。結局、01年末に同社は破産宣告を出し倒産した。さらに、エンロンに続いて様々な企業の不正会計が次々と明るみに出たことで、一企業の倒産にとどまらない大事件に発展し、これを契機に、米国全体のコーポレートガバナンスが問われることになった。 事件の特徴のひとつは、本来中立的な立場で企業の財務報告を厳しく監視すべき監査法人アーサー・アンダーセンや、顧問法律事務所も違法行為・不正の協力者として事件に関与していたことにある。財務状況も問題なく優良企業と思われていたエンロン社の株は世界中で買われており、粉飾決算疑惑発覚後の株価大暴落、倒産により、多くの株主が資産を失い、従業員2万人以上が職を失った。 エンロン事件の余波は株主、従業員に留まらず、債権者・取引先など全ステークホルダーに及んだ。
投資家を保護するための新しい法案であるSOX法が誕生することとなった。