開閉可能翼モデルへの最挑戦
昨年末(2017/11 ~ 12ごろ)、3Dアリカさんを作る過程で開閉できる翼のモデルを作っていた しかしこれは大変に大変な作業だった
なぜかというと、その理由は世の中に背中に翼の生えたキャラクターがあまり多くないというところから始まる
僕自身は羽根ガールは全然マイナーじゃないと思っていたのだけど、どうやら世間的にはあまり多くないらしい
その結果参考にできる3Dモデルも殆どなかった
MMDで公開されているキャラクターも、開閉できる翼のあるモデルは一つも存在しなかった
多くのモデルで翼は開いた状態でハードモデリングされており、ボーンも入っていないことも多かった
理由はいくつかある
1つは、生物学上、脊椎動物の背中に翼が生えることが考えられないからである
現在、翼、特に羽毛で構成された翼は鳥にしかない
コウモリやムササビなど、皮膜で構成された翼のような器官を持つ動物もいる
しかしいずれも腕に相当する器官が進化の結果翼になっており、腕とは別に独立した翼を持つ動物はいない
これは進化の過程から言って当然である
脊椎動物には四肢しか存在しないわけだから
昆虫は独立した脚を6本も持ち、開閉可能な翼(翅)も4枚持つという超すごい生き物なのである
なので、人間の背中に翼が生えることは常識的にはあり得ないことなので、そのリアリズム的解釈が難しい
とはいえフィクションである以上いくらでも考え方はある
フィクションではよく背中の翼は肩甲骨の凹みの部分が上腕に相当する表現が見られる
エヴァとかね
しかし蝶々の翅のような背中から生えているものではなく、鳥の翼を背中から生やすのは見た目の美しさに反して結構苦しい解釈が必要になる
なぜかというと、鳥の翼は人間の腕に相当し、開状態はいわゆるT字ポーズで閉状態は気を付けのような状態だからである
開状態の翼は背中と並行な方向を向いているが、閉状態の翼は体の側面の方向を向いている
これは翼が腕だから可能な開閉の仕方なのである
これが背中に生えていた場合、開状態でも翼を背中と並行にするのが難しい
背中から関節が生えているわけだから、鳥の上腕骨の前にもう一本直角に曲がる関節がないといけなくなる
しかしそうすると、閉状態の翼はどのような向きを向くのか?という疑問が湧いてくる
鳥は、上腕を体につけないと翼をたためない
大抵の鳥は初列風切が長いためだ
カモメやミズナギドリなど海鳥は海上を飛んでいる際によく翼を曲げているが、あれ以上は曲げられない
ちなみにパフィンは水中でほとんど翼を直角に曲げてブレードのようにして泳いでいる
空気と水とでは効率のいい力の当て方があるのだろう
そう考えると、粘性の高い空気の中では鳥は翼を曲げがちになるのだろうか?
https://www.youtube.com/watch?v=pWxmUKWocmo
なので背中から生えた翼の畳み方は構造的に結構考えるのが難しい
2つ目は、翼の開閉自体が3D的に相当難易度の高い機能だからである