OKR
O Objective(目標) KR Key Results(主な結果)
現代のチームのほとんどは、「機能の工場」になっていて、その機能が実際に根本的な問題を解決するのかどうかを考えていない。
第一に、人を鼓舞し、効果を測定できるようなゴールを設定すること
第二に、やることが他にどれだけあっても、自分とチームが常に望ましい最終形態に向けて進むようにすること
第三に、チームのメンバーが目標を忘れず、かつ各メンバーが責任を自覚できるような習慣を作り出すこと
数字にこだわらない人を鼓舞して動かすのがO。数字にこだわる人に対してOの現実味を示してくれるのがKRだ。
毎週、週のはじめに優先事項を設定して公表するのも効果的だ。Oを実現できるよう、チームと他の社員に対してコミットする。毎週金曜日に、その週に達成したことを讃えて一週間を締めくくるのが、パフォーマンスの高いチームだ。
スタートアップのライバルは時間だ。そして、時宜を得た実行のライバルは「脱線」だ。
なぜ、やり遂げることができないのか
1. ゴールに優先順位をつけていない
Oをにひとつだけ、それを測定するKRを3つだけ設定することで、小さな脱線がどれだけ発生しても、大きな目標を実現するために必要なフォーカスを維持できる
2. 熱意を持って漏れなくゴールを伝えていない
3. やり遂げるためのプランがない
意志力が必要にならないシステムやプロセスが必要
4. 重要事項のための時間を空けていない
重要だが緊急ではない事項をやり遂げるには、予め時間を空けておくしかない
5. 繰り返さずにやめてしまう
OKRの導入は、最初は失敗する
最もよくある失敗は、OKRを設定するだけして、残りの四半期の間フォローせず無視してしまうこと
OKRの導入前にミッションを確認すべき
ミッションのシンプルな公式「私達は、【価値提案】によって、【市場】における【問題点を取り除きます/生活を向上させます】」
OKRの基本
Objective
Oは以下を満たす1つの文にする
定性的で人を鼓舞する内容にする
時間的な縛りをつくる
各チームが独立して実行できるようにする
Key Results
KRをつくるには、どうやってOを満たしたとわかるのだろうかというシンプルな問を立てる
難しいが不可能ではないKRを設定する
OKRは常にストレッチゴールにしなければならない。そのためにはOKRに10分の5の自信度を設定すると良い。
OKRのはたらき
OKRは連鎖する。
会社がOKRを設定したら、各部門はその全社OKRに貢献する部門OKRを設定することになる。
部門OKRは、全社KRの一つに対応するものでも、全てに対応するものでも構わない。
同様に、一人ひとりの従業員も、個人とともに成長するとともに会社のゴールに貢献する個人OKRを設定する。会社のOKRが顧客獲得に関連していれば、プロダクトマネージャーは「営業技術の向上」をOにあげ、KRとして「営業トレーニングを好成績で終了する」「担当製品のコンバージョン率アップ」などをあげてもよい。
OKRを日常の一部とする
Oを達成できない原因としてよくあるのは、四半期のはじめにOKRを設定したのに、そのまま忘れてしまったというものだ。
OKRを毎週のチームミーティングや、毎週の状況報告メールに組み込むことを強くおすすめしたい。自信度レベルを毎週調整しよう。上がったり下がったりしたときは、理由について話し合おう。
OKRはブレない明確なルール
OKRを四半期の途中で変えてはいけない。設定が誤ったことに気がついたら、くよくよせずに進み、失敗するなりラクラク成功するなりの結果が出てから、その経験を活かして次回はもっとうまく設定しよう。最初から完璧な形でOKRを導入できるチームはない。OKRを変えるとフォーカスがあいまいになる。チームのフォーカスを維持することが、OKRの要点の全てだ。途中で変えてしまうと、OKRにまじめに取り組まなくてもいいという印象をチームに与えてしまう。
OKRの実行を習慣にする
月曜日のコミットメント
毎週月曜日、チームはチェックイン・ミーティングを行ってOKRの進捗をチェックし、会社の目標達成に向けたタスクにコミットする。私がおすすめするのは、4つの四角形からなる形式だ。
今週の優先事項
目標に向けてやるべき特に重要な」仕事を3~4あげよう。この優先順位によってOKRが達成できるかを話し合う。
今後4週間
チームに知らせるべき今後の予定。メンバーがそれらの予定に貢献したり、準備ができたりする。
OKR自信度状況
自信度10分の5を設定したとして、それが上がったか下がったか。またその理由について話し合う。
健康・健全性指標
素晴らしい結果を目指して歩む一方で守りたいことを2つ選ぶ、失ってはいけないものはなんだろうか。顧客との関係?コードの安定性?チームの健康・健全性?悪化してきたときに把握して話し合おう。
この表は、兎にも角にも会話のためのツール。次のようなことを話し合うのに使う。
この優先順位はOKRの達成につながるか。
OKR達成の自信度が下がっているのはなぜだろうか。手伝える人はいないだろうか。
新しい大きなことに取り組む準備はできているか。マーケ部門は製品部門の計画を把握しているか。
従業員を追い込んでいないか。あるいはコードで手抜きが蔓延していないか。
できるだけシンプルなしくみにとどめる。日常業務は各チームの選択を信頼する。
優先事項の数は少なめに。更新頻度は短くしよう。
話し合いの時間を取ろう。月曜のミーティングに確保した時間のうちプレゼンの時間は1/4にして、残りの時間で次のステップについて話すといい。時間より早く終わるのはいい兆候だ。
金曜は勝者のために
チームが高みを目指せば、失敗も増える。高い目標を掲げるのは良いが、ゴール達成に失敗したときにゴールにどれだけ近づいたかわからないままでは、憂鬱になりがちだ。だからこそ、金曜日のウィン・セッション(勝者のセッション)が極めて重要になる。
金曜日のウィンセッションでは、各チームが見せられるものはなんでも見せ合う。どんなチームでも共有できることがあるはずだ。
このようなセッションにはいくつものメリットがある。まずメンバー自信が特別な勝者のチームに属しているような気分になる。次に、共有できるものを作ることが、チームにとっての楽しみになる。メンバーが勝利を求めるようになる。そして最後に、会社が各部門の仕事に感謝し、社員が日々何をしているかを理解するようになる。
OKR設定ミーティングを開催する方法
経営層での会社のOKR策定の部分は飛ばします
KRは、「○ドルの売上」「○県の新規獲得」「○人のDAU」のような形で、数字を先に書く。まず何を測定目標にするかを話し合って決め、それから各測定対象の値とその値が本当にムーンショットと言えるくらい高い目標なのかどうかを話し合うほうがいい。
一つの目安として、KRに使用率指標、売上指標、満足度指標を設定することをおすすめするが、もちろんいつもこれが適切とは限らない。幾つもの四半期にわたって持続的な成功をおさめるために、成功を測定する方法を様々な角度で見つける必要がある。例えば、売上指標が2つある場合、成功へのアプローチがバランスを欠いている可能性がある。売上だけに注目すると、従業員がシステムをゲームのように攻略しようと考え、短期的なアプローチを開発して顧客定着率を損なうおそれがある。
会社の目標をサービス部門のOKRと結びつける
ケンタ