ケバブとは
https://gyazo.com/69477ce510ad8af625da5401fb162c22
―言葉の意味
ケバブ(Kebap)は、トルコ語で「炙って焼いたもの」という意味です。
唯一の日本語―トルコ語辞書では、「焼肉」と訳されていますが、実際には焼肉以外のケバブはあります。例えば、焼き栗のことはトルコ語で「ケスターネ・ケバブ(Kestane Kebabı)」と言います。その他に、魚のケバブや野菜のケバブもありますが、トルコでもケバブと言えば「肉のケバブ」を連想するのが一般的です。
(ケスターネ・ケバブ)
https://gyazo.com/b42bc9d2f48be8e6aaf999b3b1d85d51
―ケバブの種類
さて、日本のトルコ料理屋に行くと数々の「~ケバブ」を食べることが出来、これらはほぼ「肉のケバブ」です。単に「肉のケバブ」と書きましたが、実はそれだけでも無数にあり、日本のトルコ料理屋で食べられるのは、ほんの一部です。それら無数にある「肉のケバブ」の代表的なものを、わかりやすく3つのカテゴリーに分けて紹介します。さて、ドネルケバブはどのカテゴリーに属しているのでしょうか。
1.地名+ケバブ
日本にも讃岐うどんや伊勢うどんがあるように、トルコには地名を冠したケバブが複数あります。
例えば、トルコ第5の都市アダナの名物で、とても辛くて有名なアダナケバブ(Adana Kebabı)。
https://gyazo.com/77bfa083700d4e9651db41f9378579c9
そしてトルコ南東の地域ウルファの名物で、アダナケバブに形がよく似ていますが、辛さが控えめなウルファケバブ(Urfa Kebabı)。
https://gyazo.com/dceefb63732e4e684ab6e4bb2b1efcdc
この2つは、日本のトルコ料理屋でも食べることができるケバブとして挙げられます。これらのケバブは、日本の約2倍の国土面積を持つ、トルコ各地域の多様で豊かな食文化を反映したものと言えます。
2.食材+ケバブ
食材と組み合わさるケバブも数多くあります。
最も有名なのは、パトルジャンケバブ(Patlıcan Kebabı)で、ナスのケバブという意味です。
▼パトルジャンケバブ
https://gyazo.com/e3ad0392041982f7644a99b93353f5c5
このパトルジャンケバブだけでもバリエーションがあり、例えばナスをくり抜いて肉を詰めるボスタン・パトルジャンヌケバブ(Bostan Patlıcanı Kebabı:野菜畑のナスケバブ)に、パトルジャンケバブの上にホワイトソースを載せて焼くベシャメルソスル・パトルジャンケバブ(Beşamel Soslu Patlıcan Kebabı)などがあります。実際にトルコのレシピサイトを見ると、これらが家庭で楽しまれていることがわかります。
▼ボスタン・パトルジャンヌケバブ
(トルコのレシピサイト「Nefis Yemek Tarifleri」のボスタン・パトルジャンヌケバブのページへ)
▼ベシャメルソスル・パトルジャンケバブ
(トルコのレシピサイト「Nefis Yemek Tarifleri」のベシャメルソスル・パトルジャンケバブのページへ)
その他に組み合わされる食材としては、トマトやジャガイモ、手元にあるウルファ地域の料理本には、リンゴと組み合わせるケバブもあり、こうした食材の組み合わせにも地域色が伺えます。
▼エルマケバブ(Elma Kebabı:リンゴのケバブ)
https://gyazo.com/40e4a1d888936858627da249464324fc
(手持ちのウルファ地域の料理本『Urfa'da Pişer ~Bıze de Düşer~』より)
3.調理器具+ケバブ
調理に使う道具の名前を冠したケバブもあります。
代表的なのはシシケバブ(Şiş Kebabı)で、シシとは串という意味です。つまり「串に刺して炙って焼く」という意味になり、これは日本の串焼きと同じ発想です。
▼シシケバブ
https://gyazo.com/428b76be38ce8c18b2814d642338fd12
タスケバブ(Tas Kebabı:鍋ケバブ)は、日本のシチューやカレーのように、鍋の中で炒めて煮込むケバブで、日本では煮込みケバブの名前で紹介されることもあります。最近では日本のケバブ屋でも、アレンジを効かせたタスケバブが提供されるようになりました。
▼タスケバブ
https://gyazo.com/f2cf1cdcc11b18d9494731d834f6789d
https://gyazo.com/581928a18a8799f7fe64e6baf662bec1
テスティケバブ(Testi kebabı:壺ケバブ)は、壺の中で蒸し焼きにするカッパドキア名物のケバブです。カッパドキア名物ですが、イスタンブールなど大都市でも食べられます。食べるときは、壺を割ったり切ったりすることがあり、レストランにもよりますが派手なパフォーマンスが行われることもあります。トルコにお出かけの際は、ぜひお召し上がりいただきたい、インパクトあるケバブです。
▼テスティケバブ
https://gyazo.com/1bfd86fd4c29b28ea10af90efe6b4edb
おさらい
ケバブとは、トルコ語で「炙って焼く」という意味で、野菜や魚にもケバブはありますが、トルコでもケバブと言われて連想するのは、「肉のケバブ」です。その「肉のケバブ」だけでも無数にあるので、今回は代表的なものをカテゴリーに分けて紹介しました。ケバブと一言に言っても、とても奥が深いことを知っていただき、日本のトルコ料理屋そしてトルコへお越しの際は、ぜひお召し上がりいただきたいです。
引用:メルツのドネルケバブログ